人工妊娠中絶のための飲み薬について、厚生労働省の薬事審議会は25日、一定の条件を満たせば外来での使用を可能とする方針を了承した。入院ベッドのない無床診療所での使用については、「準備が整っていない」とし、専門家部会で再度審議する。
この薬は、妊娠9週0日までの妊婦が対象の経口薬「メフィーゴパック」。使用中に大量出血のおそれもあるため、厚労省は昨年4月の承認時に、適切な使用体制が確立されるまで入院可能な医療機関で使用し、2剤目の使用後は院内待機を求める通知を出していた。
こども家庭庁の研究班が昨年5~10月の使用実績435件を調査し、「重篤な合併症はなかった」と結論づけたことをふまえ、通知の改正に向けた議論が進んでいた。
今後、2剤目の使用後は、医療機関から16キロ以内などの条件を満たせば帰宅できるようになる。一方、使用できるのは引き続き入院可能な医療機関に限られる。
関係者によると、調査対象期間外で、「重篤な有害事象」が複数確認されたため、日本産婦人科医会から、無床診療所への使用拡大について慎重な対応を求める声が上がっていた。厚労省は「(薬の)安全性に疑義が呈されたわけではない」としている。(藤谷和広、後藤一也)
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