厚生労働省の専門家部会は19日、新しい国際疾病分類(ICD)に基づいた診断名などの和訳案をおおむね了承した。性同一性障害は「性別不合」、多動性障害は「注意欠如多動症」になるなど、より実態に合った名称に変わる。新分類は2027年中に施行される予定だ。
世界保健機関(WHO)が18年に公表したICDの最新版(ICD―11)は、1990年以来の大幅な改訂となった。ICDは、世界中の国や地域の死亡や病気に関するデータを集め、分析・比較するための基準となる。日本国内でも、統計調査や医療機関での診療記録の管理はICDに基づいている。
厚労省はこれまで、日本医学会などに和訳を依頼し、関連学会が診断名などの変更の必要がないか検討してきた。
新しい和訳では、性同一性障害は疾病や障害ではなく、性の健康に関する状態として「性別不合」に変わる。心的外傷後ストレス障害は「心的外傷後ストレス症」、適応障害は「適応反応症」になる。和訳による偏見や誤解が生じないように変更した。
今後は、病気などの分類変更についても議論を重ね、27年中に新しい分類が施行される。(後藤一也)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。