知的障害者の両親を持つ少女の葛藤を描いた映画「わたしのかあさん―天使の詩(うた)―」(現代ぷろだくしょん製作)が13日に広島市、14日に福山市で上映される。メガホンをとったのは、現役で最高齢となる山田火(ひ)砂(さ)子(こ)監督(92)。「差別することのおかしさに気づくきっかけになって欲しい」と話す。

 映画は、山田さんの長女で知的障害のある美樹さんが通っていた養護学校の恩師・菊地澄子さんが書いた児童文学が原作だ。

 小学3年の高子(落井実結子さん)は、母親の清子(寺島しのぶさん)の子どものような振る舞いを恥じ、自分の両親がなぜ周りと違うのかと疑問に思っていた。

 両親に知的障害があると知ったときは動揺し、母親につらくあたる場面も。だが次第に、いつも前向きな母親の姿を通して、障害に向き合うようになるという物語だ。

 映画には、障害のある役者も約40人出演している。

 山田監督は、1963年に長女の美樹さんを出産。当時は今より障害者への理解が浅く、家の塀や目の前の道路に差別的な落書きをされたこともあったという。「障害者も健常者も関係なく、仲良く手をつなぎ合う平和な世界になるためにも、色々な人に見て頂きたい」と話す。

 13日は広島市中区の広島県民文化センター多目的ホール、14日は福山市東桜町の広島県民文化センターふくやまホールで上映される。いずれも午前10時と午後1時15分からの2回。各回に山田監督の舞台あいさつがある。問い合わせは現代ぷろだくしょん(03・5332・3991)へ。(遠藤花)

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