病気やけがで、あるいは生まれつきに身体の一部が欠損していたり、不自由だったりする人の生活を支える義肢(義足、義手)や装具(身体の変形防止や矯正用)。そんなツールへの理解を深め、よりよい共生社会を目指そうという企画が7月14日、さいたま市内である。日本義肢装具士協会による年1回の学術大会で、一般参加が可能だ。

 大会には、全国から義肢装具士が集まる。先進的な取り組みや現場での苦労の発表が中心だが、一番の特長は各種義肢装具が体験できることだ。

 例えば、筋肉を動かそうとすると微弱の電気が流れる性質を応用した「筋電義手」。手先を失った人が装着すると、義手がその電流を読み取り、自らの意思で手先の開閉が可能になる。会場では、こうした義肢や装具に触れることができる。

 義肢装具に関連した市民公開講座もある。午前11時35分からは、事故で手足3本を失いながら富士山への登頂に成功した男性を医師と義肢装具士らのチームが支えた話で、午後2時からは、実業家として知られながら福祉や医療の分野にも尽力した渋沢栄一について。それぞれ1時間。

 一般公開はさいたま市浦和区の埼玉会館で14日午前11時~午後3時。参加無料、事前申し込みも不要。埼玉県内での同様の大会は2005年以来という。(岩堀滋)

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