国の天然記念物で、一旦は国内で野生が絶滅したコウノトリ。その希少な鳥の目撃情報が寄せられました。
畑の電柱にコウノトリ?
「自分が1メートル90センチくらい身長があるんですけど、手を広げた幅くらいはあった」
こう話すのは、熊本県氷川町でい草を生産している尾崎天信(おざき ひろのぶ)さんです。
4月20日、尾崎さんの畑に近い場所でコウノトリを見たといい、その時の写真もあります。
電柱の先にとまる鳥。大きなくちばしに、白い体…。本当にコウノトリなのか?専門家に電話で話を聞きました。
専門家の判断は「黒い部分」があるか
日本野鳥の会熊本県支部 原口研治さん「熊本だと、白くて大きい鳥は『大(だい)サギ』がいます。大サギだと全身真っ白なんです。コウノトリだとどこか黒い部分があるはずですよ」
改めて尾崎さんの写真を確認すると、確かに羽の後ろ半分は黒いように見えます。
原口さん「電柱にとまっていたということなので鶴でもない。鶴はそういうところとまらないので。だから考えられるのはコウノトリしかない」
尾崎さん「お~、すごいです」
コウノトリで間違いなさそうです。近くを取材すると、さらなる情報がありました。
「登校の指導に向かう途中…」
小学校で、コウノトリの目撃情報を掲示板で募集しているんです。
小学生
「田んぼで見ました」
「電線の近くにとまってた」
コウノトリを見たという子どもたちが多数いました。実はこの付近では、4年前にも目撃されていたといいます。
竜北中学校 髙橋博之 校長「7時半くらいに登校の指導に向かう途中で見かけない大きい鳥がいて、ひょっとしたらコウノトリだなと思って近づいた」
未確認の個体の可能性も?
今回、目撃された鳥がコウノトリだった場合、とても貴重な個体の可能性があると専門家は話します。
日本野鳥の会熊本県支部 原口研治さん「見る限り、『足環』が付いているようには見えない」
足環(あしわ)とは、コウノトリの野生復帰などに取り組む兵庫県の施設で飼育、保護され、放鳥された個体に付けられたもので、現在国内で生息が確認されている362羽ほぼ全てに付いています。
そのため、その足環がないということは、大陸から渡ってきた個体の可能性が高いということです。
原口さん「目撃は国内で1年に1回、あるかないかぐらいのレベルの鳥じゃないかと思います」
幸せを運ぶとも言われるコウノトリ。もしかすると、どこかで巡り会えるかもしれません。
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