太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」の影響で、11日、全国各地でオーロラが観測されました。富山県内でもオーロラと見られる現象がカメラにおさめられました。

空が赤色や紫色に染まり幻想的な光景が広がるオーロラ。

普段は北極圏でしかみられませんが11日の夜は、北海道や石川県珠洲市など全国各地で観測されました。

日本でもオーロラが観測されたのは、太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」が頻発した影響とみられます。

オーロラの観測は県内でも…。

富山県天文学会・須藤健太郎さん:「奇跡だと思ってすごくうれしかったですよ。北陸でまさか見れるというか、写真に映るなんて思っていなかったので、本当にすごいサプライズでした」

これは、11日午後10時42分ごろに、富山市の牛岳温泉スキー場で、富山市の会社員・須藤健太郎さんが撮影した写真です。

天文写真が趣味の須藤さんは、県天文学会の集まりで牛岳にきていましたが…。

須藤健太郎さん:「仲間が集まっても、機材でほとんど撮らずにしゃべってばっかりいたんです。そこで若いあんちゃんたちが上がってきて、能登でオーロラが撮れたみたいですよって聞いて慌ててカメラとったって感じです」「若いお兄ちゃんが教えてくれなかったら間違いなく撮ってなかったですよ。本当にあの日、行ってよかった」

須藤さんが撮影したオーロラについて、富山市科学博物館の近藤秀作学芸員は…。

富山市科学博物館 近藤秀作学芸員:「街明かりが明るいんですけども、その上のところにですね、ちょっと赤みがかったような紫色がかったような色合いが出ているんですが、これが『低緯度オーロラ』と呼ばれるオーロラの一種です」

通常のオーロラは北欧などの真上で発生していて、緯度の低い地域で見ることはできませんが…。

富山市科学博物館 近藤秀作学芸員:「地球って丸いので、日本のような、緯度の低いところではですね地面の下になってしまう」「このオーロラがもっと空の高いところで発生すると日本みたいな緯度の低いところでも、地面の上にまだ見えている部分、赤い部分が見えることがあるんですね。こういったものを『低緯度オーロラ』といいます」

近藤さんは、5月8日ごろから「太陽フレア」が頻発していて空の高いところまでオーロラが発生したため、富山県内でも観測できたとみています。オーロラが県内で観測されたのは2003年以来21年ぶりだということです。

実は、近藤さんも貴重な天体ショーを撮影しようとしていましたが…。

近藤さん富山市科学博物館 近藤秀作学芸員:「ちょっと本当に悔しさを覚えていて…」「夜中12時ぐらいからこの車を走らせるところまで行ったところで、カメラ一切合切、全部職場だってことに気付いてですね。手持ちに持っていたちっちゃいカメラを持っていたんですけど、メモリーカードがはいってなかった」「まさか全部忘れてきたという。悔やんでも悔やみ切れないんですよ」

では、次のチャンスはいつかというと…。

富山市科学博物館 近藤秀作学芸員:「まだもしかしたら続いているかもしれないし…今のところ他の情報をみているともう厳しいかなとはおもっているんですが…」「20年後かもしれないし、もしかしたら来年にまたそういうことがあるかもしれないし、何とも言えないってところですね…」

また、同じ北陸の石川県でもオーロラが撮影されました。撮影したのは「石川県柳田星の観察館『満点星』」の宇佐美拓也学芸員です。宇佐美さんが撮影した場所は珠洲市北部の海岸。足元は地震で隆起した海岸で、夜空は薄いピンクや紫に染まっています。

石川県柳田星の観察館『満点星』・宇佐美拓也学芸員:
「能登で見られるのは21年ぶり。貴重な現象に立ち会うことができてうれしいです。オーロラは『太陽からの贈り物』なので、太陽の活動や宇宙に思いをはせてもらえたら」

石川県柳田星の観察館『満点星』は能登半島地震の影響で休館中で、宇佐美学芸員は再開したらぜひ能登に夜空を見に来てほしいと話していました。

次、北陸でオーロラに出会えるのはいつでしょうか。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。