地球環境などに配慮して食材の調達や食事の提供している飲食店などに贈られる世界的な賞「FOOD MADE GOOD Japan Award」の受賞式が、11月に東京で開催されました。
この賞を熊本県山鹿市出身のシェフが受賞しました。評価されたのは、牛を思い、守る取組みでした。
あか牛は「鼻から抜ける草原のような香り」
熊本市にあるイタリア料理店。厨房には、肉を焼く音と香ばしいにおいが漂っています。店を営むのは、山鹿市出身の宮本けんしんさん(49)です。
宮本さんは長年、料理人として腕をふるうだけでなく野菜や肉など食材が育まれる環境にも目を向けてきました。数ある食材の中でも特に大切にしてきたのが、阿蘇の「あか牛」です。
上岡梨紗アナウンサー「柔らかいんですけど食べ応えがあります」
antica locanda MIYAMOTO 宮本けんしんさん「どことなく鼻を抜ける特徴的な香りがありませんか?」
上岡アナ「いま口をあけて喋って思ったんですけど、鼻から抜ける草原のような草の香りがする気がする」
生産者と歩んだ10年「やっと時代が来た」
宮本さんは阿蘇のあか牛に魅力を感じ、10年以上前から生産者の元を定期的に訪れています。ある日訪れたのは、南小国町であか牛が放牧されている草原です。
生産者「放牧をしてて寒さとか野草とか食べるのに結構力がある牛なんで、魅力を感じていて増やしたいいなと」
宮本さん「すごいな」
宮本さん「切る前までの取り組みがすごくかかってます。そういうのを見るために必ず(生産者の所に)来ています」
宮本さんは生産者との信頼関係を築くだけでなく、野焼きに参加したり、あか牛を育む草原の大切さを講演したりと、さまざまな活動に携わってきました。
こうした長年の取り組みが評価され、今回、「BEST調達賞」受賞につながりました。宮本さんの受賞に、思いを共有する生産者も喜びを隠し切れません。
阿蘇のあか牛・草原牛プロジェクト 服部法文さん「うれしいどころの話じゃないですね、やっと時代が来たかなという感じです。作っていくところから食べるまでの循環が評価されたということは、すごいことだと思います」
宮本さん「地域の食材とか地域の自然とか、環境に興味を持ってもらえる。今回の受賞が、いいきっかけになればいいなと」
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