新潟市水族館『マリンピア日本海』では17日から、「ヤリマンボウ」の標本を展示しています。

この「ヤリマンボウ」は、新潟市西蒲区の巻漁港に漂着していたもので、16日昼すぎに届いた一般市民からのメールを受けて職員が現地で状態を確認し、その日の午後にデータ収集などの調査目的でマリンピアに搬入されたものです。

今回展示されている「ヤリマンボウ」は、全長1250mm・体重89.4kgの個体ですが、なかには3m近くのものや1000kgを超すものもあるそうです。

マリンピア日本海ではこれまでに、1991年12月25日に水族館の裏で生きている状態のものを素手で捕獲して以来、西蒲区の四ツ郷屋浜や西区の青山海岸などで確認された13匹のヤリマンボウが搬入されています。今回は2019年12月25日に胎内市の新井浜に漂着したものが搬入されて以来で、14例目になります。

ヤリマンボウを含むマンボウの仲間は比較的暖かい海域を好むといわれており、世界中の海で生息が確認されています。
日本海へは、年間を通して対馬暖流にのって北上しているものとみられていますが、冬期間は寒さに耐えかねるのか、死んでしまった個体が季節風に流されて海岸に漂着する例が多いということです。

日本海で見られるのは“普通のマンボウ”ではなく「ヤリマンボウ」が多いということですが、いずれにしてもこれらの生態についてはまだ良く判っておらず、マリンピア日本海では解剖をして、胃の内容物をはじめさまざまな生態について調べる予定でした。

ところが、16日に新潟市西蒲区の巻漁港でマリンピア日本海で確認した「ヤリマンボウ」の個体は、死んでからそんなに時間も経っていないとみられ、鳥などにつつかれた痕もなく鮮度や状態も非常に良いことから、急遽、本館アクアラボ脇の屋外通路で“公開展示”をすることにしたということです。

今回は冷蔵での展示のため、標本の状態によっては展示期間が変更になる場合もあるということですが、少なくとも19日までは公開展示する予定だということです。

マリンピア日本海では「ヤリマンボウはやはり大きい魚。目の前の海の中にこんなものがいるんだと実感してもらえれば」と話しています。

ヤリマンボウの標本展示

和名:ヤリマンボウ (フグ目マンボウ科)
学名:Masturus lanceolatus
展示日時 12月17・18・19日 午前9~午後5時(期間延長する場合あり)
展示場所 新潟市水族館「マリンピア日本海」本館 アクアラボ脇の屋外通路

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