全国高校ラグビー大会の組み合わせ抽選会がきょう行われ、富山県代表の富山第一高校の初戦の相手が決まります。チームを引っ張る “なにわのキャプテン” は、父との二人三脚で、最後の花園に挑みます。

ことし6大会連続16回目の花園出場を決めた富山第一。3年生はわずか5人ですが、中学生時代からともに切磋琢磨してきました。

富山第一高校ラグビー部
「自分からもっと行け、前、前、前。運べよボールを」

チームを引っ張るのは、キャプテンでフォワードの一瀬正太郎選手です。

キャプテン 一瀬正太郎選手
「しっかり1人1人がもっと規律守ってハードワークせんとだめやから」

チーム一の熱い男は、4年前の中学2年生の時、自営業を営む父親と一緒に家族6人で大阪から富山に引っ越してきました。

一瀬正太郎 選手「ただいま」

父 健太郎さん「おかえり」

帰りを待っていたのは、父の健太郎さんです。

花園までに体重90キロを目指す…

富山に住み始めて1年が過ぎたころ、父親の仕事が一段落して大阪に戻ることになりました。

しかし、富山第一でラグビーを続けたい息子のため、健太郎さんは富山で新しい仕事を見つけ、ラグビーに専念できるよう学校の近くに引っ越し、2人で暮らしています。

一瀬正太郎 選手
「(家族)みんな大阪に帰るけどって言われたとき、(富一の)3年メンバーは中学校からやってきて楽しかったし、『花園は俺らで頑張ろう』みたいな雰囲気だったから、一緒に目指したいし、最後までやりたいなと思ったから、残った」

父 健太郎さん
「チームメイトで太郎っていう奥田君っているんだけど(奥田君の父が)『うちに下宿してでもいいから正太郎にラグビーさせてあげて』って、あいつがラグビーしている姿がめっちゃ大好きやねんみたいな。見てくれる人は見てくれているんだなと思って、それに応えるじゃないけど、ちょっとでも親としてやってあげられることはあるのかなと考えて…」

そして健太郎さんは、朝、昼、晩の3食をつくる毎日です。

父 健太郎さん
「結構食事とかも2人でいろいろね、話し合いながら、必ずタンパク質、鶏肉を取るようにして」「(1年後半まで)70キロ後半ぐらいやったんですけど、やっぱりフォワードなんで花園までに90キロ目指そうって言って…90キロまでいったもんな」

(花園)行く前から僕泣きそうになるもん…

父と二人三脚で作り上げてきた身体。

県大会の決勝戦では、その体格を生かした力強いプレーを見せました。

父 健太郎さん「お前でかいわ。おめでとう」

離れている大阪の家族からの電話も支えになっています。

妹 千春ちゃん「にぃに早く帰ってきて」

母 香織さん
「めちゃくちゃ寂しいですね。もうほんまに最後の最後、悔いの残らんように全力でやってほしなって思います」

父 健太郎さん
「(花園)行く前から僕泣きそうなるもん。多分ね。もう。こんだけ頑張ってんの横で真横で一番近くで見てるから」「『もう全部やりきったわ気持ちよかったわ』って言って帰ってきてくれたらいいかなって思いましたね」

キャプテン 一瀬正太郎選手
「3年間成長したところを見せられたらいいな。去年おととし負けて泣いちゃうってのがあったから今年はもう勝って泣きたいですよ。仲間たちと一緒に。花園で」
「1か月間がんばるので、応援お願いします」

父 健太郎さん
「全力でやってきてください。後悔せんよにな」

父に支えながら挑む、最後の花園。かけがえのない仲間と悲願の勝利を目指します。

富山の大好きな仲間、そして父と挑む最後の花園で悲願の勝利を目指します。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。