再結成を発表したイギリスの世界的ロックバンド「Oasis(オアシス)」が22日、来年10月の日本公演を発表しました。音楽ファンの話題になるなか、彼らに影響を受け英国ツアーを終えた富山出身の無名の兄弟バンドが、オアシスの来日公演でのオープニングアクトを狙い意気込んでいます。

「Oasis」は1994年8月29日にデビュー・アルバム「Definitely Maybe」をリリース。今から15年前の2009年8月28日にパリで行われた「Rock En Seine Festival」で、ノエルが「Oasis」を脱退し、事実上の解散となっていました。

今年8月27日に事実上の再結成となる世界ツアーが発表され音楽ファンの話題となったなか、11月22日にはワールドツアーの一環として来年10月25日(土)26日(日)の日本公演を正式に発表したのです。

16年ぶりの来日決定に、オープニングアクトに名乗りを上げている富山出身の兄弟バンドがいます。

「oasis日本公演おめでとうございます!
彼らが日本に来ると言う事は、
D’ you Know What I Mean?
俺達をワクワクさせてくれるのは彼らだけだ!
1年後のステージに彼らと俺たちが一緒に立てるよう、みんなも応援してくれ!Rock'n'Roll !
SAHAJi 西田蕉太郎、西田曜志朗

こう話すのは、全英チャートでいきなりトップ8入りして注目された、無名の日本人バンドで富山出身の「SAHAJi」(サハジ)です。

富山出身の兄弟バンド「SAHAJi」(サハジ)」

オアシスのようになりたい

オアシスをリスペクトしている「サハジ」。くしくも、生き方さえもオアシスのように、兄弟げんかをしながら音楽活動を続けています。

彼らを見出したは、日本人ではなくロックの本場イギリスの音楽プロデューサーでオアシスの大ヒットアルバムのレコーディングエンジニア、ニック・ブラインだったのです。

そして、オアシスは、兄のノエル・ギャラガーと弟のリアム・ギャラガーの兄弟バンド。兄弟げんかはファンの間で良く知られていて、度を超えた兄弟げんかのあげく15年前に解散してしまいました。

その後も仲が悪く、音楽ファンの中では「オアシス」の復活は絶対にありえないと言われていました。

サハジ 西田蕉太郎(兄)「15年経ったノエルとリアムの新しい2ショット写真に感動した!小さなころからオアシスのようになりたいと思ってきた」

オアシスを敬愛する日本の兄弟バンド、サハジとは...

一方、サハジは兄の西田蕉太郎(にしだ しょうたろう)と弟の曜志朗(ようしろう)の兄弟バンド。

小さなころからビートルズやオアシスの影響を受け、親子バンドで活躍したあと、兄が15歳のときには大手音楽事務所のコンテストで入賞するなど、その実力が認められ育成契約を結び東京でプロを目指していました。

画像右側が兄の西田蕉太郎・左側が弟の曜志朗

しかし、当時のプロデューサーと音楽的な考え方があわなかったことから、富山へ戻り、地元を中心に兄弟で音楽活動を続けていました。それでも兄弟2人が共通して敬愛しているのが「オアシス」だったのです。

ファッションもリアムに憧れ、リアムのブランドのものを揃え、兄弟揃ってオアシスと同じカットの写真を撮り、SNSに掲載していました。

蕉太郎の作る曲にもオアシスの影響は大きかったというサハジ。兄弟が日本を飛び越えてイギリスでデビューすることになったのもオアシスを敬愛してきたことがきっかとなりました。

自身のSNSにアクセスしてきた中に見覚えのある名前。彼らを言い出したのは、なんとオアシスのレコーディングエンジニアだったニック・ブラインだったのです。

ニック・ブラインは、オアシス最大ヒットの名盤「モーニング・グローリー」などを担当した有名なレコーディングエンジニア。そして自身のレーベルも持つプロデューサーです。

兄はしつこくメールを送り続け、とにかくイギリスに行こうと思い立ち、弟を誘います。

仲直りしたわけでもないまま、イギリスで合流した二人。大物であるニックへのアプローチを続け、会える確約もないままダイレクトメールでイギリスに行くことを告げ、イギリスのスタジオに押しかけました。

面会の約束を取り付けた場所こそが、オアシスだけでなくクィーンやレッドツェッペリンが名盤を録音したロックフィールドスタジオ。ニックははるばる日本からやってきた兄弟を温かく出迎え、名門のスタジオを紹介したです。

兄は「私たちはあなたとレコーディングしたい」と申し出ます。

ニックの返答は「もちろんだ」。

ニック・ブラインのレーベルからCDをだすことになり、イギリスやスペインでレコーディング。その中のデビューシングル曲「フューチャーインザスカイ」が全英チャート8位という快挙を成し遂げたのです。

地元富山の小さな飲食店でライブをしながらも資金を集め、イギリスでツアーを続ける彼ら…

富山での凱旋ライブの様子

兄の蕉太郎は、大好きなオアシスの再結成についてこう語ります。

蕉太郎「やっぱ再結成のキーワードは『家族』じゃないんですかね。ノエルとリアムのお母さんはひとり親で苦労して彼らを育てたそうです。50歳を超えた彼らもお母さんのことを考えたんじゃないのかなって…」

そう言いながらこうも語ります。

蕉太郎「でも来年のライブがそう簡単にうまくいくとは思わないですよ。だって二人ともロックンローラーだからまたけんかするかも…」

そして、大きな夢を語ります。

蕉太郎「来年のオアシスの復活ライブではオープニングアクトをやらせてほしい。オアシスの前座は俺たちしかいないよ!」

サハジはちょうど1か月にわたる英国ツアーを終えたばかり…

オアシスの復活と重なるように頭角を現した兄弟バンド、果たして願いはかなうのか、サハジの活躍に注目です。

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