4月29日は「昭和の日」…ということで昭和に関する話題です。「昭和レトロブーム」と言われていますが、若者たちは、昭和レトロに何を求めているのでしょうか。人気を集める広島県内の喫茶店を取材しました。
広島市中心部の三越のすぐ裏にある「シャモニーモンブラン」。来年で創業70年を迎える老舗喫茶店です。
レトロな家具が並ぶ落ち着いた店内。昭和の時代から変わらない温かい雰囲気が残っています。
福岡からの観光客(20代)
「エモい。昭和チックな雰囲気がいい」
大阪からの観光客(20代)
「こういうところの方が落ち着いて、ゆっくり話ができるからいい」
モンブランがオープンしたのは1955年(昭和30年)。えびす通り商店街で存在感を放ってきました。
メニューは130種類以上。最近は「レトロブーム」で若い人が増え、週末の客は、約6割程度が10代から30代の若い世代といいます。
シャモニーモンブラン 3代目店主 大﨑二彌惠 さん
「『かわいい』と言われる。『古い』ではなくて。インスタに載せたい方が、写真をすごくたくさん撮って」
SNSにあふれるモンブランの写真。その写真をチェックして、観光客も訪れていました。
東京からの観光客(20代)
「若い人がいっぱいいるところより落ち着くよね」
東京からの観光客(30代)
「昭和イコール温かみというか、『長くいていいよ』という感じがある。効率を重視していない感じ」
昭和レトロにひかれる若者たちは、つながりや温かさを求めているのかもしれません。
シャモニーモンブラン 3代目店主 大﨑二彌惠 さん
「昭和のよかったところは、お店に行って声かけてもらったりとか。モンブランに来たら、うちの父(2代目)がいるから『オーナーに声かけてもらった』って喜んでもらえる。そのよさは続けていきたいと思っています」
ゲイシャ種と呼ばれる希少なコーヒー豆を、サイフォン式で1杯500円。お菓子付きで、コクのある味わいが楽しめます。
廿日市市峠の喫茶店「エムズカフェ」は、2024年1月にオープンしたばかりの新店です。オーナーの森田さんが、幼いころの喫茶店のイメージを再現しました。
取材中、あの懐かしの電子音が響いていました。
エムズカフェ 森田オーナー
「(ゲームを)プレーしていたのは、小・中学校。社会人になって、テーブルの需要がなくなった時に買った」
テーブル1台あたり、たった数千円で購入したそうです。麻雀用だったゲームを森田さん自身が組み立てなおしました。
エムズカフェ 森田オーナー
「液晶モニターが主流だが、あえてブラウン管で再生している。ゲーム目当てに来る客もいる」
喫茶店は、週末のみの営業ですが、茨城や群馬から訪れた客もいたようです。レトロなのは、ゲームだけではありません。
なつかしの味を堪能してもらおうと、数少ない「うどんの自販機」が置いてあります。たった25秒で熱々のうどんが登場です。
末川徹 記者
「約20秒で出てくるクオリティではない。濃い味でおいしい」
電気系のメンテナンスを営む森田さんが、2年かけ販売できる状態まで改良しました。
エムズカフェ 森田オーナー
「『懐かしい』と言ってくれる人が多い。珍しいものがあるので、見て楽しんでもらえたら」
昭和の懐かしさを求める人たちに、これからも温かい一杯を提供します。
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