SDGsを考える1週間、「地球を笑顔にするWEEK」。

きょう(4月29日)は、「もったいない」を「おいしい」に生まれ変わらせた取り組みを紹介します。

熊本の台所、田崎市場(たさきいちば)に本社を置く創業60年以上の水産加工会社「ふく成(なり)」。

この会社では、天草市御所浦町(あまくさし ごしょうらまち)で養殖したマダイやトラフグなどの販売や加工を手掛けています。老舗のふく成が去年9月から販売をはじめたのが「こっぱせん」です。

ふく成 平尾有希 取締役
「マダイの骨、いままで廃棄していたものを新しい商品にしてみました」

ふく成は以前、飲食店などに魚を卸していましたが、コロナ禍で売り上げが8割減少。

業態の変化を迫られ、2020年から魚を加工してオンラインショップで販売するようになりました。

オンラインショップで販売を開始して売り上げは回復したものの、魚を切り身にする過程で問題となったのが、頭や骨といった商品として使わない部分のロスです。

平尾取締役「これは商品としては何も使わない部分。EC販売を始めてお客様に食べやすい状態で届けるというところで骨は除去する」

2キロのマダイを加工する場合、約500グラムの廃棄が出るそうで、こうしたロスは1年間で5.5トンに上るといいます。

平尾取締役「これはもったいない。私たちが愛情をこめて育てた魚なのに、私たちが捨てるということをしたくなかった」

そこで平尾さんは新商品の開発に着手。

マダイの骨は魚の中でもとりわけ硬いため加工に苦労しましたが、粉末の状態にすることに成功し、構想から2年ほどかけて「こっぱせん」が誕生しました。

平尾取締役「私たち生産者が大事に育てた魚を捨てるのではなく、廃棄するのではなく、骨の髄まで味わっていただくかなりおいしい商品になっています」

手塩をかけて育てた魚を、どんな部分も無駄にせず味わってほしいという思いが形になった「こっぱせん」。

ふく成のオンラインショップなどで購入することができます。

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