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ふたりの20歳が得点あげる
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《試合後の談話》
ふたりの20歳が得点あげる
世界ランキング7位の日本は、パリオリンピックに向けた強化のため気候などが本番に近いスペインに遠征していて、3日は世界28位のニュージーランドと2戦目の強化試合を戦いました。
この試合はオリンピックの代表メンバー発表前の最後の強化試合となり、1戦目から先発メンバーを7人入れ替えて臨みました。
日本は前半22分、相手のフォワードにサイドから突破を許し、そのままペナルティーエリアに持ち込まれて先制ゴールを決められると、攻撃ではほとんどチャンスを作ることができず、前半を0対1で折り返しました。
流れを変えたい日本は後半開始から選手を3人入れ替え、4分、ピッチに入ったばかりの20歳、浜野選手がペナルティーエリアの外から豪快なボレーシュートを決めて同点に追いつきました。浜野選手はこれが代表初ゴールとなりました。
さらに15分、浜野選手は司令塔の長谷川唯選手からの相手ディフェンダーの背後へのパスに反応してボールを受け、この試合2点目のゴールを決めて勝ち越しました。
そして21分には同じく20歳の藤野あおば選手が飛び出した相手ゴールキーパーの動きを見逃さずに冷静にシュートを決め、さらに35分には途中出場の千葉玲海菜選手のゴールで突き放しました。
日本は若手選手の活躍でニュージーランドに4対1で逆転勝ちし、スペイン遠征を2連勝で終えました。
日本の選手たちは日本時間の5日に帰国し、パリオリンピックの代表メンバー18人は今月中旬にも発表される予定です。
《試合後の談話》
浜野「ここで決めないと浜野じゃない」
後半からの出場で代表初ゴールを含む2得点を挙げた20歳の浜野まいか選手は「1点ビハインドの状況で『ここで点を決めないと、浜野まいかじゃない』という思いで試合に入った。1点目は、頭で考えたというよりは体が勝手に反応してくれた。2点目は、ほとんど長谷川唯さんのおかげだが、ディフェンスの背後をねらっていたので、しっかり決めきれてよかった」とうれしそうに振り返りました。
パリオリンピックに向けては「今回の試合でも課題がたくさんあったので修正しつつ、オリンピックのメンバーに選ばれたらチームの勝利に貢献できるように点を取ることも、守備も頑張りたい」と話していました。
藤野「迷いなく打つことができた」
チームの3点目を決めた20歳の藤野あおば選手は、ゴールの場面について「得点を取りたいと思っていたので、ゴールに向かって積極的に仕掛けるところは意識的に取り組もうと思っていた。ゴールキーパーが出ている状況も把握していたので、迷いなく打つことができた」と振り返りました。
その上でパリオリンピックに向けて「代表に選ばれた場合は、得点という形でチームに貢献できるように頑張りたい。去年ワールドカップで自分の力不足を痛感して悔しい思いをしているので、チームにとってプラスの存在になれるように得点にこだわりたい」と話していました。
千葉「ラストチャンスだと思って」
2月のパリオリンピックのアジア最終予選以来の代表招集でゴールを決めた千葉玲海菜選手は「ゴールという結果を残せたことは本当にうれしい。1月にドイツのクラブに移籍してから意識してきたフィジカルで負けないところやスピードで戦うところを体現することができたのは本当に収穫だ」と笑顔で振り返りました。
その上で「自分はコンスタントに代表に選ばれていない中で、ここで選ばれたことをラストチャンスだと思って必ず結果を出したいと思っていた。オリンピックの代表に選ばれたいという気持ちもあるが、まずはこの遠征を充実したものにしたいと思っていたので、それができたことは本当によかった」と話していました。
しれつな代表争いのなか 若手選手がアピール
パリオリンピックのメンバー発表前、最後の強化試合を終えたなでしこジャパン。
スペイン遠征での2試合を通じて若手が猛アピールを見せて、最後の最後まで代表入りをかけたしれつな争いが繰り広げられました。
パリオリンピックのサッカー女子は、1チームあたりの登録人数が18人と、遠征に参加している22人より4人少なくなり、選手にとっては今回の強化試合が最後のアピールの場となりました。
池田太監督は日本を出発する際、「所属チームとは違うポジションや役割を求める選手もいるので、どの選手が与えられた役割の中で力を発揮できるか、周りの選手との連携も含めて確認していきたい」と話しました。
その結果、ニュージーランド代表との2試合で、特にアピールしたのが若手の選手たちでした。
先月31日の第1戦は、先発に抜てきされたチーム最年少の18歳、古賀塔子選手がコーナーキックに頭で合わせて代表初ゴールを決めたほか、積極的に攻撃の組み立てに参加。
本職の守備でも相手にほとんどチャンスを作らせませんでした。
古賀選手は去年の強化試合から代表に呼ばれるようになり、これまで出場機会は多くはありませんでしたが、与えられたチャンスで期待に応えました。
そして、中2日で行われた2戦目。
前半、攻撃の形を作れなかった日本の閉塞感(へいそくかん)を打ち破ったのは、20歳の浜野まいか選手でした。
後半開始から投入されると、直後にペナルティーエリアの外からのボレーシュートで代表初ゴールを決め、15分にも素早い飛び出しで2点目のゴールを奪いました。
浜野選手は、そのあともみずからゴールに迫るだけではなく、決定機につながるパスを出したり、ボールをキープしてためを作ったりと、持ち味をいかんなく発揮しました。
浜野選手は去年のワールドカップのメンバーにも選ばれましたが、大会直前に左肩をけがをしたこともあって出場は途中からの1試合にとどまり、大会後も一時、代表メンバーから外れる時期を経験しました。
それでもスペイン遠征の最後のアピールチャンスで強烈な印象を残しました。
さらに、4月の国際大会では決定力不足を課題と挙げていた20歳の藤野あおば選手もゴールを決め、けがから復帰した19歳の谷川萌々子選手も途中出場して持ち味のチャンスメークでアピールしました。
池田監督は若手のアピールについて「浜野選手からはゴールに向かうエネルギーを感じられたし、藤野選手はいつもと違うポジションでゴールを決めた。みんなそれぞれよさを出してくれた。メンバー選考の判断材料は1つじゃないので難しいが、なでしこジャパンを自分の力で勝たせていくという強い思いを持っていることをベースに考えていきたい」と話していました。
オリンピックの代表メンバー18人に選ばれるために人事を尽くした選手たち。
藤野選手は「自分自身でどうこうできるものではないが、チームにとってプラスの存在になりたい」と話して、ピッチをあとにしました。
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