2023年のネーションズリーグで主要国際大会として46年ぶりの表彰台に上り、銅メダルを手に笑顔を見せる高橋藍選手(左)と石川祐希選手=国際バレーボール連盟提供

 バレーボールの国際大会、ネーションズリーグの男子福岡大会が4~9日、北九州市の西日本総合展示場で行われる。ネーションズリーグは世界のトップ16カ国・地域が参加する大会で、北九州では1次リーグの一部が行われる。日本を含めた8チームが4試合ずつを戦う。

 ネーションズリーグはパリ・オリンピックの前哨戦だ。昨秋に世界各地で行われた五輪予選の結果によって、各チームの戦略は異なっている。

 五輪予選で敗れたチームは、ネーションズリーグ1次リーグ終了時点の世界ランキングで決まる残りの五輪切符を目指し、一戦必勝で戦っている。

 一方、五輪予選を突破した日本のフィリップ・ブラン監督は「五輪のパフォーマンスに全力を注ぐことができる」と話す。日本は目先の試合の勝敗を気にせず、最大の目標である五輪のメダル獲得のために何をすべきか考えながら試合に臨んでいる。

 まず、両エースのコンディション作りを優先した。

 イタリア1部リーグ・セリエAで4月末までプレーオフが続いた石川祐希選手(ペルージャ)と高橋藍選手(サントリー)は、5月下旬の1次リーグ第1週のブラジル大会に出場せず、福岡大会から合流した。

 ブラジル大会は、20歳の甲斐優斗選手(専大)らさまざまな選手が実戦で経験を積みながら、3勝1敗と好発進した。日本から映像で見ていた高橋藍選手は「刺激を受けた」と気持ちも乗っている。

 日本の選手たちが強く意識するのが、開催国と1次リーグ上位7チームによる決勝トーナメント(6月27~30日、ポーランド)で、ファイナリストになることだ。

 今の選手たちにとって世界のメダルマッチの経験は、主要国際大会46年ぶりのメダルとなった昨年のネーションズリーグの3位のみ。主将の石川選手は「僕たちに不足しているのが、決勝の経験。到達できれば、パリ五輪も(決勝進出を)イメージして臨める」と言葉に力を込める。

 福岡大会は、石川、高橋藍の両選手が加わり、メンバーのそろったチームの連係を徐々に高めていくためのステップとなる。【小林悠太】

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