巨人の立岡宗一郎選手

○巨人4―1西武●(31日・ベルーナドーム)

 誰よりも本人が待ち望んだ一本だったに違いない。大けがを乗り越えて1軍に戻ってきた巨人の立岡宗一郎が、復帰後初打点となる適時打を放った。

 2点をリードして迎えた四回、無死一、三塁の場面で「芯で捉えれば何とかなる」と打席に入った。西武の先発・高橋光成が投じた外角の148キロ直球にバットを合わせて逆方向へ。左翼手の前で打球が弾み、「めっちゃうれしかったです」と言葉も弾んだ。

 「ここぞの場面で何とかしてくれる」と、スタメン起用した阿部慎之助監督の期待に応えた。直後の守備に入る時は、球場に響くタテオカコールに帽子を取り、一礼した。

 プロ16年目、34歳になったベテランだ。2012年にソフトバンクから巨人に移籍。途中でけがのため右打ちから左打ちに転向し、内野から外野へのコンバートも経験するなど、苦労しながら1軍で400試合以上を過ごした。ところが22年6月、試合中に打球を追って味方選手と交錯。左膝前十字靱帯(じんたい)の再建手術を受け、同年オフに育成契約となった。

 今季は2軍で順調な回復ぶりを見せ、5月21日に支配下選手に復帰。「ここから全盛期だと思って頑張る」と語っていた通り、けがをした時と同じベルーナドームで返り咲き、「無事にプレーできて良かった。いいきっかけになってほしい」。若返りとともに4年ぶりの優勝を目指す巨人にとって、経験豊富な頼もしい存在が復活を印象付けた。【川村咲平】

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