静岡県伊豆市の練習拠点で開かれた会見では、パリオリンピックの自転車トラック種目の日本代表として内定したリザーブメンバーも含む男女15人の選手と、中野浩一 選手強化スーパーバイザーらが出席しました。

まず、中野 選手強化スーパーバイザーが内定した選手たちの出場予定種目を発表し、東京オリンピックの女子オムニアムで銀メダルを獲得した梶原選手は、オムニアムとチームパシュートの2種目に出場することになりました。

梶原選手は「東京大会では最後のポイントレースで優勝した選手に競り負けてしまい、レースを終えたあとに持久力が足りなかったと感じたので、持久力を強化してきた」と話しました。

そのうえで、「金メダルをとるために自分を信じて、これまで支えてくれた方々への感謝の気持ちをレースで表現して、たくさんの応援をエネルギーに変えて全力でレースに挑みたい」と意気込みを話しました。

また、競技を始めてわずか2年ほどで頭角を現し、メダル獲得も期待される男子の短距離陣のエース・太田海也選手は「先輩たちがつないできたバトンを、しっかりこのチームでいっぱいメダルを獲得して次の世代につないでいきたい」と話していました。

日本代表の選手たちは、今後も伊豆市の練習拠点で調整を行ったあと、フランスに入ることにしています。

自転車トラック種目 出場予定種目

パリオリンピックの自転車・トラック種目の内定した選手たちの出場予定種目です。

短距離種目の男子では、
チームスプリントに、
▽太田海也選手
▽小原佑太選手
▽長迫吉拓選手
男子ケイリンに、
▽太田海也選手
▽中野慎詞選手
男子スプリントに、
▽太田海也選手
▽小原佑太選手

女子では、ケイリンとスプリントに
▽太田りゆ選手
▽佐藤水菜選手

中距離種目の男子では、
チームパシュートに
▽今村駿介選手
▽窪木一茂選手
▽中野慎詞選手
▽橋本英也選手
マディソンに
▽窪木一茂選手
▽橋本英也選手
オムニアムに
▽窪木一茂選手
リザーブに
▽松田祥位選手

女子では、
チームパシュートに
▽池田瑞紀選手
▽内野艶和選手
▽垣田真穂選手
▽梶原悠未選手
女子マディソンに
▽内野艶和選手
▽垣田真穂選手
女子オムニアムに
▽梶原悠未選手
リザーブに
▽梅川風子選手

梶原悠未選手とは

自転車のトラックで代表に内定した選手のうち、梶原悠未選手は、埼玉県出身の27歳。東京大会に続く2大会連続のオリンピック出場となります。

小学生のころは競泳に打ち込み、全国大会に出場するなど活躍しましたが、高校から自転車に転向すると、高校2年生の時のジュニア全日本選手権でロードとタイムトライアルで2冠を達成するなどめきめきと力をつけました。

そして2017年にカナダで行われたワールドカップで日本の女子選手で初めてとなる金メダルを獲得し、3年前の東京オリンピックでは女子オムニアムで自転車競技で日本の女子選手初のメダルとなる銀メダルを獲得しました。

去年行われたアジア選手権の女子オムニアムでは4種目すべて1位で完全優勝し、パリオリンピックでは悲願の金メダル獲得を目指します。

太田海也選手とは

太田海也選手は岡山県出身の24歳。

高校入学後にボート競技を始め、2017年に全国高校総体で優勝し、進学した日本大でも続けましたが成績の伸び悩みと腰痛が原因で競技を断念し、大学も1年で中退しました。

その後、地元・岡山に戻り、自転車を買いに行ったことをきっかけにサイクルショップに就職し、自転車の魅力にひかれてロードレースに出場すると優勝してしまいました。

そこで再び、アスリートの心に火がつき、競輪選手を目指すと、2021年に競輪の養成所に合格しました。

養成所入所後はすぐさま高い実力を発揮し、早期卒業者と認定されて1年もたたずに卒業すると、2022年1月には、日本自転車競技連盟の強化指定選手になり、競輪とともに自転車競技にも出場するようになりました。

自転車競技でもまたたくまに世界トップレベルに上り詰め、2023年のアジア大会では、2種目で優勝を果たすと、ことし2月にオーストラリアで行われた世界トップレベルの選手が集まる大会では、男子スプリントで優勝を果たしました。

自転車競技に本格的に挑戦してわずか2年半余りの新星が初めてのオリンピックでメダル獲得を目指します。

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