現役ラグビー部員(右)に教わって、ダイビングトライを体験するイベント参加者=秋田市で2024年5月25日午後1時51分、高橋宗男撮影

 今春、創部100周年を迎えた秋田県立秋田高校ラグビー部が部員集めと啓発活動に励んでいる。部員は現在13人と単独チーム結成には2人足りず、他校との合同チームを組まざるを得ないのが現状だ。髙村琉晟主将(3年)は「仲間を増やし、秋の花園予選には単独チームで出場したい」と意気込む。

 同校ラグビー部は旧制秋田中学時代の1924(大正13)年に創部。県内の高校では最古の歴史を誇り、全国大会で歴代最多の優勝15回を誇る秋田工業など県内の強豪校としのぎを削ってきた。花園には過去6回出場し、ベスト4に2度進出。単独チームとして出場した70、71年の国民体育大会では連覇を果たした。

秋田高校のラグビー部員は現在13人。15人制の単独チーム結成が悲願だ=秋田市で2024年5月18日午前10時47分、高橋宗男撮影

 しかし近年は生徒数の減少や「勉強と部活動の両立」という進学校ならではの悩みも抱え、校内での勧誘活動もなかなかうまくいかないという。今年も単独チームとしては7人制の大会出場に限られており、節目の年に「フィフティーン」でのチーム結成が悲願だ。

 こうした状況を踏まえ、現役部員とOB・OGが創部100周年を機に子ども向けのラグビー体験イベントを企画。秋田市文化創造館前の芝生広場で25日に開いたイベントには親子連れら約200人が足を運び、現役部員やOBらに教えてもらいながら、パネルの穴にボールを投げ入れたり、ゴールポストに模したH型ポールをめがけてボールを蹴ったり、マットの上にダイビングトライをしたりして、遊びながらラグビーの基本動作を学んだ。

 髙村主将は「自分がラグビーを始めたころもこんな感じだったなと、懐かしく思った。ラグビーは魅力的なスポーツだと改めて感じる」。同部OB会の三戸俊信会長(75)は「秋田のラグビー文化を盛り上げるためには、子どもたちにラグビーというスポーツを知ってもらうことが大事。楕円(だえん)のボールで遊んだ子どもたちが高校生になったときにラグビー部に入ろうと思ってくれたら」と話した。【高橋宗男】

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