MVPに輝いたBL東京のリッチー・モウンガ選手(右)と新人賞に選ばれた東京SGの高本幹也選手=東京都内で2024年5月27日、角田直哉撮影

 ラグビーのNTTリーグワンの年間表彰式が27日、東京都内で開かれ、最優秀選手(MVP)は初優勝したBL東京のSOリッチー・モウンガ選手が初受賞した。

 卓越した技術と速さ、判断力を誇る世界最高の司令塔がまた一つ栄誉を手にした。来日1年目でMVPに輝いたモウンガ選手は、受賞スピーチで4月に亡くなった父を思い「天国にいる父にささげたい。今ラグビーをやっている理由も父の存在が大きい」と語った。

MVPに輝いたBL東京のリッチー・モウンガ選手=東京都内で2024年5月27日、角田直哉撮影

 プレーでの貢献に加え、ニュージーランド代表やスーパーラグビーでの経験から「勝者の精神」もチームにもたらした。プレーオフ前のミーティングでは「One chance、One opportunity」と伝えた。一つのパスやタックルで勝負が決まるかもしれないが、その舞台に立てることに誇りを持ち、緊張感を楽しむ大切さを訴えた。

 家族思いで周囲に気を配る言動でもファンを引きつける。優勝を決めた直後、客席の家族の元へ駆け寄る姿が話題になった。モウンガ選手は「ラグビーは仕事だが自分の一部。試合が終われば自分のフォーカスはすぐ家族に移る」と笑う。

 日本ラグビーへの敬意にもあふれ、決勝の死闘後、仲間にかけた言葉は「優勝して自分がうれしいよりも、リーチ(マイケル主将)さん含めてクラブのために長く頑張ってきた人々のことを思うと余計にうれしい」。日本ラグビーとモウンガ選手、双方にとって幸せな時が流れたシーズンだった。【角田直哉】

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