埼玉西武ライオンズは26日にあった今季45戦目で快勝した直後、急展開を迎えた。

 成績不振を理由に、松井稼頭央監督(48)の休養が発表された。28日の日本生命セ・パ交流戦の中日ドラゴンズ戦から、渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM、58)が監督代行を兼務する。

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 26日までの戦績は15勝30敗でリーグ最下位。自力優勝の可能性はすでに消滅している。この日の試合終了から約2時間後に開かれた記者会見の冒頭、渡辺GMはこう切り出した。

 「これは松井監督だけの責任ではないですし、私もチーム全体を見る立場として非常に申し訳ない」

 事実、松井監督になってからの昨季、そして今季と、戦力が充実しているとは言いがたい。

 1年目の昨季は、森友哉がフリーエージェント(FA)でオリックス・バファローズに移籍し、正捕手不在の中でスタート。キャプテンの源田壮亮はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で負った右手小指の骨折で出遅れ、主砲の山川穂高も不祥事で離脱。采配以前の問題は多く、5位に沈んだ。

 さらに昨オフは、その山川がFAでソフトバンクへ移籍。穴を埋めようと獲得した元大リーガーのアギラーとコルデロは、現在そろって2軍調整中だ。

 打線強化という課題が明確な中、昨秋のドラフト会議で獲得した支配下選手7人のうち、野手は6位指名の村田怜音(皇学館大)のみだった。

 GMをはじめとする編成担当の判断も、現状に大きく関わっているからこそ、冒頭の発言があったのだろう。

 監督代行を務める渡辺GMは、コーチ陣の配置換えはしない方針で、新戦力の獲得も「今のところ決まったことはありません」とした。2軍にいる両外国人選手については「残りの試合で実力通りの力を出してほしい」。現状のメンバーで戦っていく。

 渡辺GMは選手時代に最多勝を3度獲得し、西武の黄金期を支えた右腕だった。2008~13年に西武の監督を務め、就任1年目はリーグ優勝と日本一に導いた。唯一の変化となる新たな指揮官の姿勢は、会見の言葉から見えた。

 「ここ一番となったら、思い切りが必要」

 「1点、2点をもぎとっていく、西武っていやらしいと思わせられるようなチームをまた作りたい」

 「1人でも2人でも多く1軍で活躍できるよう、時には厳しく言うことも大切なんじゃないかと思います」

 コーチ陣にはすでに「俺についてきてくれ」と伝えた。監督業に復帰するのは11年ぶり。統率力でいかに西武の戦い方を変えていくのか、注目したい。(平田瑛美)

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