第76回春季東北地区高校野球福島県大会(県高校野球連盟主催)は26日、白河グリーンスタジアム(白河市)で決勝があり、聖光学院が光南を5―2で破り、4連覇を果たした。聖光学院は一回に先制すると、五回と六回にも着実に加点。先発のエース古宇田烈投手は9安打を浴びるも、粘りの投球が光った。3位決定戦は学法石川が5―3で磐城に逆転勝ちを収めた。

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 (26日、第76回春季東北地区高校野球福島県大会決勝 聖光学院5―2光南)

 4連覇をたぐり寄せたのは、準決勝でスタメン落ちの悔しさを味わった主将の一打だった。

 押し出し四球で1点を追加した五回。2死満塁で打席には聖光学院の青柳羽瑠(はる)主将(3年)。「来た球を打つだけ」と3球目、外角のチェンジアップをたたくと、打球は中前へ。三塁走者に続き、二塁走者も生還し、リードを広げた。「引っ張らずに、センターを狙った理想的な打撃だった」と試合後、斎藤智也監督に言わしめた。

 昨秋以降、交代で主将を務めてきた聖光学院。そんな中で斎藤監督は4月、責任感が強く、同級生だけではなく下級生にも目を配ることができる、と青柳選手を主将に指名した。

 「負けさせたらどうしよう」。初めて務める主将の重圧から今大会は打撃不振に苦しんだ。先発出場した2回戦と準々決勝ではともに無安打で、準決勝は先発を外れた。準決勝後、スイングを見直したが、「最後は気持ち。切り替えよう」と決勝に臨んだ。

 青柳選手の適時打でリードを広げたチームは春4連覇を果たした。「チームとしていいところも悪いところも見えた大会だった」と青柳選手。「課題は打線のつながり。東北大会では課題を克服し、優勝し、夏につなげたい」。優勝の余韻に浸ることなく、目線はすでに「夏」を見据えていた。(滝口信之)

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