セントラルフィットネスクラブ日立の利用者らに激励を受けた寺門弦輝選手(手前)=茨城県日立市幸町1で2024年4月14日午後2時4分、鈴木敬子撮影

 茨城県日立市出身で今夏のパリ・オリンピック競泳男子200メートルバタフライ代表に内定した寺門弦輝(げんき)選手(21)=日大4年=が14日、子供の頃に通った「セントラルフィットネスクラブ日立」(幸町1)を訪れ、五輪出場を報告した。当時をよく知るスタッフや利用者らが集まり、寄せ書きなどで激励した。

 寺門選手は3月の代表選考会で、1分54秒07で1位となり、2位で東京五輪銀メダルの本多灯選手と共に五輪出場を決めた。市立助川中出身で、同クラブに4歳から中学3年まで通い力を付けた。

 スタッフ手作りのくす玉で祝福を受けた寺門選手は、「このクラブで水泳を始め、オリンピック出場権を獲得することができた。力の限り頑張るが、どんな結果になっても温かい目で見守っていただければ」と話した。

 入会して間もない頃から小学校低学年ごろまで指導したコーチの細川千亜紀さん(44)は、進級テストで合格できなかった時に悔し泣きしていた姿をよく覚えているという。「教え子が成長してオリンピックに出ることになり、すごくうれしい。みんなで応援したい」と目を細めた。

 同クラブの利用者で寺門さんとロッカーでよく話をしたという草川俊明さん(74)は、五輪切符をつかんだ時に流した歓喜の涙に触れ「あれをパリでも再現してほしいと願っている。頑張ってください」と励ました。

 激励会にはクラブに通う大勢の子どもたちも集まった。クラブで週3回練習に励む上手美夢(みゅう)さん(14)は「寺門選手はクラブの誇り。私も寺門選手の背中を追いかけて頑張りたい」と力を込めた。

 クラブの訪問前には、母純さん(50)らと共に小川春樹市長を表敬訪問した。目標は決勝進出だとし、報道陣の取材に「五輪にはいろいろな人が人生を懸けて来ている。その雰囲気にのまれず、自分らしさを忘れないことが大切になる」と述べ、気持ちの持ち方が課題との考えを示した。【鈴木敬子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。