(25日、高校野球・春季関東地区大会準決勝 白鷗大足利3―1帝京)

 帝京(東京)の自慢の強力打線が通用しなかった。

 九回2死一塁、主将の西崎桔平はフルカウントから見逃し三振に倒れた。ロースコアでの敗戦に金田優哉監督は脱帽した。

 「投手のレベルが上がってくると、っていうところですね。『とにかく(打線で) 圧倒しよう』とチームを作ってきましたけど、まだまだ力が足りない」

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 送りバントをほとんどせず、打者の決め事は「常にフルスイング」。攻撃的なスタイルで春の東京都大会を2連覇し、関東の舞台に乗り込んだ。

 2回戦は鹿島学園(茨城)を9-2、準々決勝は花咲徳栄(埼玉)を12-5で下した。いずれも先行されたが逆転し、コールド勝ちと圧倒した。計6本塁打を記録した長打力は折り紙付きだ。

 だが、準決勝でその打線が沈黙した。

 相手は準々決勝で東海大相模(神奈川)を8回零封した山口幸大、プロ注目の152キロ右腕・昆野太晴のリレー。コーナーを突く多彩な球種に手を焼き、得点はソロ本塁打による1点にとどまった。10三振を喫し、打線はつながりを欠いた。

 金田監督は「追い込まれてからの打撃」を反省点に挙げる。

 「(際どいボールは)追い込まれたらスイングをしかけてファウルにしないと。そのためにはスイングスピードを鍛えないといけない」

 全国制覇経験校だが、甲子園には春夏通じて13年遠ざかる。今のチームは「甲子園出場」ではなく、「甲子園優勝」を目標に掲げる。

 4番の丹羽心吾はこう話す。

 「もし甲子園に出られても、すぐに負けてしまったら、『帝京復活』とは思ってもらえない。都大会も、関東大会も、甲子園で勝つための通過点だと思っている。課題が見つかったので、この負けをかみしめたい」

 夏は正真正銘の強力打線に進化させ、東東京、そして全国の頂点に挑む。(大宮慎次朗)

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