プロ野球・巨人

○巨人1―0阪神●(24日・甲子園球場)

 甲子園球場を埋め尽くした虎ファンを落胆させるほどの快投だった。巨人のエース右腕、戸郷翔征(しょうせい)投手が、首位の阪神を相手に無安打無得点を達成した。

 187センチの長身から独特のフォームで投げるフォークがさえ渡った。123球目。最後に中野拓夢から空振り三振を奪ったのもキレのあるフォークだった。さらにスライダーも交えて相手に的を絞らせない。変化球をカウント球にも決め球にも使い、阪神打線を操った。

 三回に自らの悪送球、五回には内野手の失策で走者を背負った。九回にも無死から四球で走者を置いたが、マウンド上での落ち着きぶりはエースそのものだった。

 宮崎・聖心ウルスラ学園高から2019年にドラフト6位で入団した。巨人のマウンドで経験を積み、23年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表に選出されるまでに成長した。22年には初めて2桁勝利となる12勝を挙げて最多奪三振のタイトルを獲得。23年も12勝という好成績を残した。

 近年に積み重ねてきた好成績の数々。巨人のエースに上り詰め、その証しといわんばかりの堂々たる快挙だった。【荻野公一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。