宇良(左)を攻める大の里=両国国技館で2024年5月24日、宮間俊樹撮影

大相撲夏場所13日目(24日、東京・両国国技館)

○大の里(押し出し)宇良●

 くせ者に全く相撲を取らせなかった。新小結・大の里が、新入幕から3場所連続で2桁勝利を挙げた。連日の完勝に、本人も「いい相撲が取れている」と満足そうに振り返った。

 この日は、頭を低くして左から大の里の懐に入ろうとした宇良に対して、惑わされず当たって出る。左からおっつけて宇良の体を起こすと、右からの押しで一気に土俵を割らせた。

 高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「厳しい相撲。何かをやってくる相手にちょっと手を出して体をぶつけて一気ですから」と評価した。11日目に大関・豊昇龍に豪快な下手投げを決められてから「修正してきた」と話す。実際、大の里は入幕2場所目の先場所から連敗しておらず、修正力の高さを見せている。

 混戦の優勝争いの中で大関・琴桜とともに3敗でトップに立つ。賜杯争いに水を向けられても「来場所につなげる相撲を取る」と素っ気ない。幕下付け出しデビューでは昭和以降で2位の所要6場所で新三役に昇進した大の里が勢いそのままに幕内優勝を果たすのか。この日の打ち出し後に決まった14日目の対戦相手は、4敗に後退した湘南乃海だ。【武藤佳正】

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