夏場所は11日目を終えて、2敗で湘南乃海が単独トップ、3敗で大関 琴櫻や新小結の大の里など6人が追う展開となっていました。
湘南乃海は12日目の23日、関脇 阿炎と対戦し、突き押しにこらえながら前に攻めていきましたが、はたきにいったところで体勢を崩し、「押し出し」で敗れました。
また、初優勝を目指す大関 琴櫻は関脇 若元春と結びの一番で対戦し、若元春が得意とする左四つから土俵際に追い込まれたものの、投げの打ち合いを制して勝ち、3敗を守りました。
そして、新三役としては67年ぶりの優勝を目指す大の里は、同じく3敗の宝富士を一気に押し出して勝ちました。
このほかの3敗の力士では、新入幕の欧勝馬が大関経験者の正代に勝った一方、大関経験者の御嶽海が大関 豊昇龍に、三役復帰を目指す大栄翔が明生に敗れました。
この結果、12日目を終えて、琴櫻、大の里、湘南乃海、欧勝馬の4人が3敗でトップで並びました。
12日目を終えてトップが3敗となるのは、大関 魁皇や千代大海など6人が並んだ、21年前の平成15年の名古屋場所以来となります。
《力士の取組後 談話》
平幕 湘南乃海 3敗に後退「あした頑張る」
3敗に後退した平幕の湘南乃海は、悔しそうな表情で支度部屋に戻り、「あした頑張る」と述べるにとどまりました。
関脇 阿炎「向こうが緊張していたのでは」
湘南乃海に勝って、勝ち越しを決めた関脇の阿炎は「攻める気持ちがよかった。相手がトップというのは考えなかった。向こうが緊張していたのでは」と振り返りました。
大関 琴櫻「目の前の一番に集中」
3敗を守った大関 琴櫻は「内容はよくないので修正してやっていく。しっかり目の前の一番に集中してやっていくだけ」と話していました。
新小結 大の里「前へ前へ 意識を」
新小結の大の里も3敗を守り「よかった。前へ前へということを意識していきたい」と話していました。
宝富士「動けなかった」
4敗に後退した宝富士は「立ち合った瞬間に圧力というか重さがあって、右を差されて動けなかった」と脱帽していました。
優勝争いについては、「きのう負けた時点でないと思っている。久しぶりに上位で相撲がとれたので、もっといい相撲が取れるように、あすから頑張る」と話していました。
新入幕 欧勝馬「師匠の9勝 超えたい」
3敗を守った新入幕の欧勝馬は「勝ち越したので気楽に相撲だけに集中してやった。上に上がって勝てているので楽しい」と笑顔を見せました。
師匠で元大関 琴欧洲の鳴戸親方が新入幕で9勝だったことについて聞かれると「超えたいですね」と意欲を見せていました。
大栄翔「攻めきれなかった」
4敗に後退した大栄翔は「攻めるところで攻めきれなかった。変わらず一番一番、頑張る」と話していました。
中入り後の勝敗
▽竜電に一山本は、一山本が「押し倒し」で勝ちました。
▽錦富士に狼雅は、狼雅が「上手出し投げ」。
錦富士は負け越しが決まりました。
▽美ノ海に佐田の海は、佐田の海が「上手投げ」。
▽北勝富士に剣翔は、北勝富士が「押し倒し」。
▽友風に玉鷲は、玉鷲が「押し出し」。
▽正代に新入幕の欧勝馬は、欧勝馬が「はたき込み」で勝って3敗を守りました。
▽新入幕の時疾風に錦木は、時疾風が「寄り切り」。
▽翠富士に金峰山は、金峰山が「突き出し」。
▽隆の勝に阿武咲は、阿武咲が「突き落とし」。
▽宇良に琴勝峰は、琴勝峰が「小手投げ」で勝って勝ち越しを決めました。
▽翔猿に高安は、高安が「はたき込み」。
翔猿は負け越しです。
▽豪ノ山に平戸海は、平戸海が「押し倒し」。
▽王鵬に熱海富士は、熱海富士が「押し倒し」。
王鵬は負け越しとなりました。
▽大栄翔に明生は、明生が「突き出し」で勝って勝ち越しを決めました。
▽大の里と宝富士の3敗どうしの一番は、大の里が「押し出し」で勝ちました。
▽阿炎に湘南乃海は、阿炎が「押し出し」。
湘南乃海は3敗に後退しました。
▽御嶽海に大関・豊昇龍は、豊昇龍が「寄り切り」で勝って勝ち越しを決めました。
▽大関・琴櫻に若元春は、琴櫻が「すくい投げ」で勝って3敗を守りました。
十両の伯桜鵬が再出場へ
新型コロナウイルスに感染したため、大相撲夏場所を中日8日目から休場していた十両の伯桜鵬が13日目の24日から再び出場することになりました。
20歳の伯桜鵬は、去年7月の名古屋場所で昭和以降では歴代最速に並ぶ所要3場所で新入幕を果たし、この場所では優勝争いに加わりましたが、その後に左肩を手術して、一時は幕下まで番付を落としました。
西の十両8枚目で臨んだ今場所は、新型コロナウイルスの感染でおよそ5日間の安静と療養を要すると診断され、中日8日目から休場していました。
そして、13日目の24日から再び出場することになり、白鷹山との取組が組まれました。
伯桜鵬はここまで3勝5敗4つの休みですでに夏場所の負け越しは決まっています。
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