大相撲夏場所10日目(21日、東京・両国国技館)
○高安(上手投げ)琴桜●
再出場した高安が満員御礼の館内で2日続けて結びで大関を撃破した。3日目から8日目まで休場していただけに、大関経験者の34歳は「やっぱり最高ですね」と、相撲の取れる喜びをしみじみと語った。
激しい差し手争いから右四つになると、高安が上手を取って十分だった。琴桜は上手を取れず右下手だけ。上手を切れず苦しくなって寄って出た琴桜に対して、高安が回り込みながら上手投げを決めた。本人も「左のまわしが生命線だった」と振り返った。
2日目に新小結・大の里に土をつけたものの、翌日の朝稽古(げいこ)中に腰を痛めて休場した。「あの手この手で回復したので良かった」。再出場した9日目はいきなり結びで登場し、豊昇龍をすくい投げで破った。優勝争いの先頭に並んでいたこの日の琴桜との対戦を「好成績の人とやる方が面白いし、やりがいがある」と歓迎していた。
「力士である以上、相撲が取れる状態になれば土俵に上がりますから。正直どうなるか分からないですけど、ここ2日間は体がよく動いている」と高安。たたき上げのベテランの必死さが伝わってくる土俵が、今場所の優勝争いを面白くしている。【武藤佳正】
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