岩手県高総体のバスケットボール競技が5月30日に開幕する。
大会が間近に迫る中、女子の強豪・盛岡白百合学園は日々の生活からバスケットに向き合い、心と体を磨いて5連覇を目指している。

盛岡白百合学園高校・バスケットボール部は、インターハイに24回、高校バスケットの最高峰ウインターカップには25回出場している全国大会の常連だ。

インターハイにつながる県高総体が間近に迫り、チームは今、より一層練習に励んでいる。

盛岡白百合学園のプレースタイルは「走るバスケット」。
ディフェンスからオフェンスに切り替わった際、相手が守りを固める前にどんどん走って素早く攻め込む。

指揮官の小川陽ヘッドコーチはこのプレースタイルについて「身長の高い選手がそろうチームにスピードで打ち勝つため」と話す。

盛岡白百合学園 小川陽ヘッドコーチ
「(平均身長が)大きくないので、大きくない選手をどう活用して良さを最大限に生かすか考えると、速さでいくしかないと考えている」

その「走るバスケット」の中心となるのが3年生のパワーフォワード・昆真叶選手だ。

オフェンスに転じた瞬間に真っ先に敵陣へ向かう積極的な走りが持ち味で、1対1の場面にも強いプレーや、172cmの長身と長い手足を生かした自在なドリブルで相手を抜き去る切り込み隊長だ。

盛岡白百合学園3年 昆真叶選手
「自分たちは走れるチームだと思うので、みんなに声を掛けながら自分が一番前を走って点を取りたい。チーム一丸となって優勝したい」

そして味方がインサイドへ攻め込む一方、アウトサイドから攻撃を仕掛けるのは、3年生のシューティングガード・藤澤咲花選手だ。

シュートを迷いなく打てるハートの強いシューターで、新人戦の東北大会では秋田第1代表の湯沢翔北戦で9本の3ポイントシュートを沈めたチームの長距離砲だ。

盛岡白百合学園3年 藤澤咲花選手
「自分の強みは、シュートを打ってチームの流れを引き寄せるところ。3ポイントで流れを止めない場面をたくさんつくる」

そんな常勝軍団の盛岡白百合学園も、2023年10月のウインターカップ出場をかけた県予選決勝ではわずか3点差で優勝を逃した。

このため小川ヘッドコーチは日々の生活を見直すと決め、選手たちと交わしているある約束をさらに徹底することにした。

それは…
・食事を残さないで食べること
・時間を守る
・ごみを拾う
という合わせて3つの約束だ。

一見当たり前のことのようだが続けていくのはなかなか難しい行動で、小川ヘッドコーチはこの約束を通して人間的な成長を促し、バスケットに対する考え方をより深めようとしている。

盛岡白百合学園3年 伏原慶選手
「嫌いなものも嫌わず食べることで、苦手を克服することにつながると思う」

心身共に成長するため、お米も最後の一粒まで大切に口へ運ぶ。
この日のランチも残さずきれいに平らげていた。

生活を見直して練習を重ねた結果、チームは1月に行われた新人戦の県大会で5大会連続24回目の優勝を果たし、再び県の女王の座を勝ち取った。

コートの中でも外でも、日々バスケットボールを追及する盛岡白百合学園。
この上でチームをけん引する上村美悠キャプテンは、県高総体に向け高い目標を語った。

盛岡白百合学園3年 上村美悠キャプテン
「全国ベスト8を見据えていつも練習に取り組んでいるので、一つ一つの試合に全力を注いで必ず優勝する」

人間性を高め、より磨きがかかった盛岡白百合学園の「走るバスケット」。
32人の部員が心を一つに、ゴールへ、そして全国の舞台へ駆け出している。

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