元日本ハム球団代表の島田利正さんは的確に見抜いていた。19日(日本時間20日)に日米通算200勝を達成した大リーグ・パドレスのダルビッシュ有(37)の性格についてだ。
「ちょっと勘違いされているんですけど、根は素直なんですよ」。遠くを見やりながら、そう振り返る。「もちろん、若いころは、ちょっと、やんちゃなところもありましたけど」
世間を騒がせたのは、東北・東北高から入団して迎えた2005年の春季キャンプだった。パチンコ店での喫煙姿が写真週刊紙に報じられた。球団も謹慎処分を下した。「やったことへの責任はあるが、本人は素直に聞き入れてくれた」
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ダルビッシュも当時のヒルマン監督や、謹慎中にキャッチボールをしてくれた2軍寮長の菅野光夫さん(故人)への恩を口にしていた。
「いま、ここにいるか、いないかの転機は、たばこの時やった。菅野さんは自分を支えてくれたし、ヒルマン監督は、選手やコーチが『雰囲気悪くしやがって』みたいなところで、『終わったことだし、仕方ない。これも一つの勉強だから』と言ってくれた」。リーグ連覇した07年秋のインタビューに、そう答えてくれた。
ビッグマウスや、多少奇をてらった言い回しは、ダルビッシュの若さゆえのファンサービスだったのだろう。
その後、エースと呼ばれるようになり、「責任感がどんどん強くなって自覚が芽生えてきた。球団にもチームを代表して発言していた」と島田さん。昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、自らの経験や技術の全てを惜しみなく後輩たちに伝える姿が象徴していたように、広く言えば、日本球界のさらなる発展を意識しての振る舞いだろう。
人はそう簡単には変われない。
今回、分かったのは、ダルビッシュの生き様もそう変わっていなかった、ということだった。(笠井正基)
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