2位となった岡慎之助のつり輪=群馬・高崎アリーナで2024年4月14日、玉城達郎撮影

全日本体操個人総合選手権 男子決勝(14日、群馬・高崎アリーナ)

岡慎之助選手(徳洲会体操クラブ)=172・264点、2位

 ずぶとい精神力を発揮した岡慎之助選手が、ミスにもめげず上位につけた。「絶対にかなえたい目標」と言いきる、パリ・オリンピックの出場権にも一歩前進した。

 2種目めのあん馬で落下したが、所属先の米田功監督と言葉を交わし、「欲張らないこと。次のつり輪は点数が取れるので、力技をしっかり止めよう」。

 そのつり輪で全体6位の14・466点と持ち直し、5種目めの平行棒は「だいぶずれている感じで感覚は良くなかった」と言いながらも、全体2位の15・200点の高得点を出して、最後の鉄棒も大きな失敗なくまとめた。

 「ミスに対して深く考えない」意識が、大一番でも役立った。日ごろの練習からうまくいかない時も、すぐに次の演技に集中。「一つだめでも(他の種目で)点数が取れるというのもあるから、落ち込むことはない」と気持ちを強くした。

 2022年の全日本は予選を3位で通過しながら、決勝で右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の重傷を負った。嫌な思い出を一掃する好成績に「リベンジできてよかった」とほおを緩める。

 1カ月後、勝負のNHK杯に向けては「今日は(技の精度や丁寧さの部分で)0・1点をすごく引かれてしまった印象。本当にこの0・1を拾っていくしかない。そこを大事にしたい」と抱負を語った。【角田直哉】

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