4月下旬に佐賀市で開催された高校野球の春季九州大会(第154回九州大会)で、8強入りを果たした宮崎商の中村奈一輝(ないき)選手(3年)は、今季から本格的に投手との二刀流に挑戦している。
準々決勝の唐津商(佐賀)戦では1番・遊撃手で出場。一回に左前打を放つと、三回には右前打。広角に打ち分け2安打を放ち、リードオフマンとして活躍した。一方で悔しい思いも経験。1点差に迫った九回2死一、二塁の場面では、あわや逆転サヨナラ本塁打となる大飛球を左翼に放ったが、無情にも最後の打者となった。
橋口光朗監督(35)からは「ライナー性の打球を打ち返す意識を持つように」と指導を受けていて「(反発性能を抑えた)新基準のバットは、打球を上げてしまうと球が伸びないのを痛感した。ボールを上から切るように、たたく技術を深めたい」と反省を口にした。
投手の練習を始めたのは昨秋ごろからで、今春から投手としても出場を果たしている。身長182センチから投じる直球の最速は145キロで、1分間当たりの回転数は2450近くある。変化球はスライダーやカーブ、カットボールなど5種類を操る。
救援した1回戦の東海大福岡戦に続き、唐津商戦では六回から登板したがコントロールが定まらずに2失点。「監督とコーチから体の軸を生かした投げ方などを教えてもらっている最中。夏の大会までに技術を磨いていきたい」と課題を語る。
名前の「奈一輝」の由来はスポーツ用品メーカー「ナイキ」からきているという。世界的企業のブランド力のように「国内外の大きく広いフィールドで活躍できるような人間になってほしい」と両親が名付けてくれた。
将来の目標はプロ野球選手で「日々の練習をこつこつと積み上げて、今夏に甲子園へ行くためチーム全員で努力したい」。謙虚さも兼ね備える「二刀流のナイキ」に注目だ。【林大樹】
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