体験談をまとめた本を手にする元日本代表の岩清水梓選手(東京ヴェルディ提供)

 4年前の出産を経て、サッカー女子のWEリーグで今季も試合出場を重ねる日テレ・東京ヴェルディベレーザの岩清水梓(いわしみずあずさ)選手(37)。本紙の取材に応じ、ピッチに再び立つようになった経緯を「(産休育休から)復帰したいと言って、それを待ってくれた人たちの応援があった」と振り返った。(上條憲也)  女子日本代表「なでしこジャパン」で2011年のワールドカップ(W杯)を制したメンバーの1人。プロの国内リーグとして21年9月に始まったWEリーグ以前の20年3月に長男を出産した。妊娠が分かったのはアマチュアリーグ時代だが、プロ意識でプレーしており「母親になるということの前に、やってきたサッカー選手としての人生があった」と語る。出産に備えてどのタイミングでチームを離れるかは、夫と熟慮して決めたという。  選手復帰を前提にしたのは、日本代表時代の先輩、宮本ともみさん(現日本代表コーチ)が05年の出産を経て26歳でなでしこリーグに復帰した例があったから。チーム離脱後はクラブ業務を担いながら「産休届け」を申請した。しかし、出産、育児の真っ最中には「大切な命を守らなくてはという親としての重圧とか寝られないとか。その時は(復帰の考えは)なかった」と苦笑いする。  WEリーグでは、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースでプレーした大滝麻未(あみ)さん(23年に引退)が21年11月の出産から約4カ月後に公式戦に復帰。岩清水選手は公式戦復帰までに1年以上かかった。さまざまな体調変化の中でプレーを続け、今季は途中出場などで4試合に出場(12日時点)している。「こうしたい、ということが認められていくスポーツ界になってほしい」と話す。  岩清水選手の出産と子育て、「職場復帰」までの経験をまとめた著書「ぼくのママはプロサッカー選手」は先月、小学館から発売された。定価は税込み1540円。

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