「B1昇格決定」のボードを掲げる柏倉哲平主将を中心に喜びを爆発させる滋賀レイクスの選手とスタッフ=大津市上田上中野町の滋賀ダイハツアリーナで2024年5月12日午後4時47分、礒野健一撮影

 バスケットボールBリーグ2部(B2)の滋賀レイクスは12日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で山形ワイヴァンズとのプレーオフセミファイナル第2戦に臨み、97-74と快勝して2勝目を挙げ、ファイナル進出とともに、昨年のB2降格から最短1年でのB1復帰を決めた。スローガンを「GET BACK!(返り咲く)」と定めて臨んだ険しい道のりの末の歓喜を、チーム史上最多となる4681人の大観衆と分かち合った。

 試合は序盤からレイクスペース。初戦で苦戦した相手のスリーポイントシュートを組織的なディフェンスで封じ込め、前半を47-37の大差で折り返した。

 後半は湧川颯斗選手が鋭いドライブで相手をかき回し、ゴール下のブロック・モータム選手らにボールを届けて得点を量産。野本大智選手もキャリアハイに並ぶ18得点の活躍を見せた。終了間際、レイクスがボールをキープしてカウントダウンが始まるとブースターは総立ちとなり、勝利が決まると「B1復帰」のボードを掲げて喜びを爆発させた。

B1昇格を決め、ブースターと一緒に笑顔で記念撮影に応じる柏倉哲平選手(後ろから2列目右から2番目)ら滋賀レイクスの選手たち=大津市上田上中野町の滋賀ダイハツアリーナで2024年5月12日午後4時50分、礒野健一撮影

 試合後のセレモニーでダビー・ゴメス・ヘッドコーチは「ブースターの皆さんありがとう。転んでも立ち上がり、B1に戻れた。私は滋賀を、レイクスを愛してます」と感謝した。この試合のMVPに選ばれた野本選手は「勝ったぞー」と拳を突き上げ、「去年、降格した時のブースターの悔しい顔が今、喜びの笑顔になっていることが本当にうれしい」と目を潤ませた。

 レイクスは18日から同アリーナで、越谷アルファーズとB2王者を決めるファイナル3連戦(2戦先勝)に臨む。

「ブースターが後押ししてくれた」

セレモニーでブースターに感謝する柏倉哲平主将=大津市上田上中野町の滋賀ダイハツアリーナで2024年5月12日午後4時42分、礒野健一撮影

 負けが込んだシーズン序盤、右膝のけがで離脱した中盤、プレーオフ・クオーターファイナル初戦で敗れ後がない状況――。何度も訪れた試練を乗り越えた目標達成にこみ上げるものを抑えられなかった。「簡単に結果が出ない中で我慢強くやり切れた。ブースターが僕らを後押ししてくれた」と目を真っ赤にしながら振り返った。

 2021―22年シーズンのレイクス移籍1年目から主将を務めた。昨季は17連敗も喫してB2降格の悔しさを味わった。B1チームからオファーがあり、移籍する選択肢もあったが、熱い応援を続けるブースターを笑顔にしたいと残留を決めた。昇格が決まり、涙を流して喜ぶブースターの姿に感極まった。

 試合後、3年間ともにレイクスで戦ってきたキーファ・ラベナ選手と無言で抱き合った。ラベナ選手は「柏倉とは何も話さなくても全てが伝わる。この3年は本当にタフだった」とねぎらった。【礒野健一】

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