冬季五輪2大会でメダルを獲得したフィギュアスケートの宇野昌磨(26)=トヨタ自動車=が9日、自身の交流サイト(SNS)で現役引退を発表した。名古屋市生まれで、2010年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央さんらを指導した山田満知子、樋口美穂子両コーチに師事。14日に会見を行う。

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◆真央さんに声を掛けられて…「こんな選手になるとは」

宇野昌磨選手の現役引退発表を受け、報道陣の質問に答える山田満知子コーチ=9日、名古屋市中区の名古屋スポーツセンターで

 宇野が故郷の名古屋市でスケートを始めた際に指導した山田満知子コーチ(80)は、「残念だが、新しい昌磨を見せてほしい」と今後の活躍を期待した。同市の名古屋スポーツセンターで報道陣の取材に応じた。  同センターに通っていた後のバンクーバー五輪銀メダリスト、浅田真央さんに声を掛けられ競技を始めた。幼少期は背が小さく泣き虫だったという。山田さんは「4回転をばんばん跳ぶ時代に(世界で)戦える選手になるとは思っていなかった」と打ち明ける。  何かをきっかけに大きな成長を遂げる選手もいるが「急激に変わったことはない。ずっと努力しながら上手になった」と山田コーチ。2018年平昌五輪後に、宇野がさらなる成長を求め、海外のコーチから指導を受けるようになったことについては「私は成功だったと思う」とした。

全日本選手権 宇野昌磨選手(中)を笑顔で見つめる山田満知子コーチ(左)と樋口美穂子コーチ=2017年12月24日、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで

 昨年12月の全日本選手権の会場では宇野から「先生、名古屋に行けていなくてごめんなさい」と声を掛けられたという。「アマチュアでやることはやった。次の世界に行きたいということじゃないかな」とねぎらった。

◆樋口コーチ「間違いなく特別な選手」

 山田コーチのアシスタントとして、宇野が競技を始めてから2018〜19年シーズンまで指導した樋口美穂子コーチ(54)は「私にとって間違いなく特別な選手。お疲れさまという気持ちと、ありがとうという気持ち」と語った。  世界選手権を連覇するなど、世間的には順風満帆なスケート人生を送っているようにも見える宇野。だが、トップに立つことのつらさを感じることもあったといい、「以前、会ったときにスケートが楽しいかと聞いたこともあった」と振り返る。  プロスケーターとしての今後の活躍に期待し、「勝ち負けや点数、ルールを気にせず、のびのびと昌磨らしいスケートが見られたら」と語った。 

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