フィギュアスケートの男子シングルで2022、23年世界選手権2連覇を果たした宇野昌磨選手(26)=トヨタ自動車=が現役引退を発表した9日、地元・愛知県の関係者からは、驚きやねぎらい、惜しむ声が上がった。
宇野選手は9日、自身のSNS(ネット交流サービス)に「この度、現役選手を引退する決断を致しました。今日まで競技者としての僕を応援してくださった皆様、支えてくださった皆様本当にありがとうございました」と投稿した。
宇野選手は名古屋市出身。高校は安藤美姫さんや浅田真央さんら多くのスケート選手を輩出した中京大中京高(名古屋市昭和区)に進んだ。3年間、宇野選手の担任を務めた山元亜弥子教諭は「まだ若いので驚いた」。高校時代の宇野選手について「おとなしい生徒だった。ゲームが好きで休み時間にはクラスメートと一緒にスマホのゲームで楽しんでいた」と振り返りつつ、「五輪に何度も出て良い成績を残し、誇らしい生徒。競技を離れても宇野自身の人生が輝かしいものであってほしい」と今後の活躍に期待した。
「もう少し続けてほしかったが、ここまでよく頑張った」。こうねぎらったのは、宇野選手の祖父で洋画家の宇野藤雄さん(97)=愛知県犬山市。絵画の世界同様、芸術性が問われるフィギュアスケート界の頂点に何度も立った孫を「天性の表現力があり、ピカソと同じだ。羽生結弦さんという素晴らしい先輩に恵まれたことも大きかったと思う」。しみじみと「しばらく会っていないので、どんな思いなのかゆっくり話したい」と語った。
宇野選手はこれまで、名古屋市スポーツ功労賞や愛知県スポーツ顕彰などを受けている。大村秀章知事は「県民の誇り。躍動感あふれるスケーティングが今も忘れられない。さらなる活躍を応援している」とコメントした。【川瀬慎一朗】
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