U23アジア・カップの優勝メダルを手にする細谷真大選手=羽田空港で2024年5月5日午前0時15分、高野裕士撮影

 サッカー・J1柏レイソルのFW細谷真大選手(22)が、U23(23歳以下)日本代表をパリ・オリンピックに導くゴールを挙げた。五輪のアジア最終予選を兼ねたU23アジア・カップで優勝。同大会での自身の2得点を振り返った。

 「結果が出ていない中で参加した(U23)アジア・カップだった。もちろん『結果を残さないといけない』というプレッシャーもあったけど、自分を信じてやれた結果だったと思う」

 羽田空港に4日深夜に到着後、細谷選手は輝く優勝メダルを胸に、そう話した。今季はJ1リーグ戦で開幕から7試合連続ノーゴールのまま今大会を迎えた。エースFWとして期待された大会では、1次リーグのアラブ首長国連邦(UAE)戦、韓国戦と決定機を決めきれず、SNS(ネット交流サービス)上では批判を浴びた。

 「(批判は)別に何とも思っていなかった。『結果で見返す』と思っていた」

U23アジア・カップから帰国し、インタビューで笑顔を見せる細谷真大選手=羽田空港で5月5日午前0時14分、高野裕士撮影

 敗れれば五輪の望みが絶たれる準々決勝のカタール戦。2―2で迎えた延長前半、絶妙な動き出しと最初のタッチで相手の守備網をかいくぐると、待望の大会初得点を奪った。日本はさらに1点を加え、4―2で勝って五輪出場に王手をかけた。

 「やっとのゴールだったし、チームが苦しい時に決められて良かった」

 この直前、ベンチでFW内野航太郎選手(19)=筑波大=がピッチに入る準備をしているのに気付き、自身の交代が近いことを悟っていた。

 「このまま(得点を奪えず)交代したら、自分の価値が下がると感じていた。その中で点を取れたのは自分にとっても大きかった」

 勝てば五輪出場が決まる準決勝のイラク戦もヒーローになった。前半、急加速してDFラインの裏に抜け、浮き球のパスを足元に収めると、反転しながら相手選手をかわして先制点を挙げた。日本は2―0で勝利し、8大会連続で五輪の切符を手にした。自身はゴールから長く遠ざかる苦しい時期の後に、勝負どころで結果を出した。

 「この経験は必ず次につながる。一度外しても落ち込まないメンタルも身についた」

優勝したU23アジア・カップから帰国した松木玖生選手(中央)らU23日本代表の選手たち=羽田空港で2024年5月4日午後11時44分、高野裕士撮影

 U23アジア・カップの代表メンバーは23人だったが、五輪では18人に減る。さらに年齢制限のないオーバーエージ(OA)枠として24歳以上の選手を3人まで起用できるため、メンバー入りに向けた競争は激しさを増す。

 「レイソルで結果を残さないと、パリへの道も出てこない。まずはレイソルで結果を残すことが一番の近道だと思っている。レイソルのためにしっかりゴールを取りたい」【構成・高野裕士】

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