毎年、プロ野球選手100人に独自調査を行い、打撃や投球など各部門のNo.1を選出するフジテレビ「すぽると!」の人気企画「プロ野球100人分の1位」。
16年目を迎えた2024年は、「変化球」「打撃」「守備」「走塁」「直球」の5部門で調査。果たして現役選手が選んだ各分野の最高選手とは!
2024年の第4弾は、球界屈指のスピードスターが凌ぎを削る「走塁部門」。
同票で並んだ第4位の選手から順に紹介していく。
この記事の画像(19枚)第4位:5票/近本光司(阪神)
第4位の1人目は阪神の近本光司選手。
ルーキーイヤーから6年連続となるランクインを果たした。
「ここぞと言うときに盗塁を決めてくるイメージがある。あの選手がランナーにいたら嫌だろうなと」阪神・才木浩人投手(26)
「ただ走るだけではなくてスライディングもそうですし全てがすごいなと思う」阪神・大山悠輔内野手(30)
今シーズン、プロ6年間で5度目の盗塁王に輝いた“その足”に、チームメイトからは感謝の声も…。
「帰ってこられるかなという打球でも、まわってセーフになってくれる。自分が今年打点を多く取れたのは、近本さんのおかげもあります」阪神・森下翔太外野手(24)
第4位:5票/並木秀尊(ヤクルト)
そして、もう1人の第4位はヤクルトの並木秀尊選手。
「まずスタートダッシュから違う」ヤクルト・長岡秀樹内野手(23)
「スピードは元からずば抜けている。プラスアルファ判断力」ヤクルト・山田哲人内野手(32)
「突っ込んでくるんじゃないかっていうくらいのスピードで来る。よけたくなる」オリックス・紅林弘太郎内野手(22)
9月29日の巨人戦、三塁にいた並木選手は、前進守備を敷いていたセカンド正面をついたゴロで、迷わずスタートを切り快足を飛ばしてホームイン。
この走塁はチームメイトにも衝撃を与えたようだ。
「あんなに強いセカンドゴロで、全然ホームでセーフだったので…」ヤクルト・高橋奎二投手(27)
並木選手は今シーズン、代走での起用がメインにもかかわらず10盗塁をマーク。成功率は驚異の100%。
ちなみに、並木選手は、獨協大学時代も公式戦通算24盗塁で失敗が0という“失敗しない男”だった。
第3位:7票/梶原昂希(DeNA)
第3位は、今シーズン、プロ3年目で才能を開花させブレイクを果たしたDeNAの梶原昂希選手。
「一番足速いんじゃないですかね」巨人・吉川尚輝内野手(29)
「身長もあってストライドも広くて、いい1番になるだろうなと思います」阪神・近本光司外野手(30)
「あんまり機敏そうには見えないんですけど一歩一歩のストライドが大きい。スケールの大きい選手だなと思います」巨人・菅野智之投手(35)
189㎝の長身を生かした大きなストライドで、今シーズン、セ・リーグ2位となる16個の盗塁をマーク。
驚くべきはその出場試合数だ。盗塁王を獲得した阪神の近本選手とは50試合もの差がありながら、盗塁数はわずか3つ差に迫っているのだ。
2024年 セ・リーグ盗塁数
1位 阪神・近本光司 141試合 19盗塁
2位 DeNA・梶原昂希 91試合 16盗塁
「来年とか盗塁王を取るような実力はあるんじゃないかなと思います」DeNA・東克樹投手(29)
第2位:10票/五十幡亮汰(日本ハム)
第2位には、日本ハムの代走の切り札、五十幡亮汰選手が初のランクイン。
「まず速い。速すぎる。馬力エグいなって」西武・佐藤龍世内野手(27)
「シンプルにめちゃくちゃ足速いです。もう半端じゃないです」日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)
五十幡選手は中学3年のときに陸上の全国大会100メートル決勝に出場し、後のオリンピック日本代表、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手を抑えて優勝している。
「サニブラウンに勝った男」は、今シーズン、試合終盤に代走で起用されると盗塁を量産。
7回以降に盗塁を決めた数では、12球団トップの数字をマークした。
2024年 7回以降の盗塁数
1位 日本ハム・五十幡亮汰 15
2位 ソフトバンク・周東佑京 11
2位 広島・羽月隆太郎 11
4位 ロッテ・和田康士朗 10
(提供:データスタジアム)
五十幡選手の足が生きるのは盗塁だけではない。
7月2日のロッテ戦では、浅いライトフライでもタッチアップに成功してホームに生還し、チームに貴重な追加点をもたらした。
11月には侍ジャパンに初選出され、日本球界に欠かせぬ存在となっている。
第1位:44票/周東佑京(ソフトバンク)
2年連続4度目の1位に輝いたのはソフトバンクの周東佑京選手。
他の選手を圧倒する44票を獲得した周東選手の走塁を多くの選手が絶賛。
「盗塁の技術やスピードは本当にトップクラスだと思います」ロッテ・小川龍成内野手(26)
「もう圧倒的にスピードが速すぎる」ロッテ・種市篤暉投手(26)
「人間じゃないですね」オリックス・曽谷龍平投手(24)
「世界一、塁に出したくないランナーです」楽天・藤井聖投手(28)
「パーフェクト走塁ですね」DeNA・桑原将志外野手(31)
そんな周東選手の足に、相手バッテリーは“周東注意報”を発令して最大限に警戒。
「足があってすごく警戒しないといけない」中日・松山晋也投手(24)
「走ってくるので常に準備して」日本ハム・田宮裕涼捕手(24)
「本当にいろんなことを駆使して投げないといけない」ロッテ・西野勇士投手(33)
「一塁にいるとすごく気を取られて、バッターになかなか集中できない。対バッターがなかなかできない」楽天・早川隆久投手(26)
バッテリーが年々、警戒度を強めるそのスピード。
実際、周東選手が一塁にいる場合は、他の選手が一塁ランナーのときより、ストレートの投球割合が約15ポイントもアップ。
周東選手を止めるため配球に偏りが出ているのだ。
2024年 一塁走者別ストレート投球割合
周東佑京 57.4%
他の選手 42.9%
(提供:データスタジアム)
「当然、バッテリーは最大限警戒していると思うんですけど、その中でああいいうふうにどんどん走れるっていうのはすごい」巨人・丸佳浩外野手(35)
“周東注意報”もなんのその。周東選手は相手バッテリーの警戒をかいくぐり、今シーズン、3度目の盗塁王(41盗塁)に輝いた。
「走塁部門」2年連続となる1位獲得に、周東選手は喜びの言葉を口にした。
「やっぱり選手に選んでいただけるのは非常に嬉しいです」
平凡なファーストゴロまで内野安打にするほどのスピードに、“ある言葉”がプロ野球界を席巻している。
「一塁でもほぼ得点圏というのか、そういう走塁をされている」広島・栗林良吏投手(28)
「ランナー一塁でも得点圏という感じがある」楽天・早川隆久投手(26)
ファンの間で大流行した「#周東は一塁でも得点圏」。この言葉はプロ野球界でも新常識に。それを体現した走塁を周東選手が自ら語ってくれた。
「僕が走って、今宮さんが打ってサードゴロで、そのまま三塁に行ったときの走塁です」
4月4日のロッテ戦で、一塁にいた周東選手が、今宮健太選手のサードゴロの間に一気にサードまで到達した走塁のことだ。
サードの中村奨吾選手は、ボールをキャッチした瞬間にセカンドベース手前でスピードを落とす周東選手の動きを目で確認してからファーストに送球。一方の周東選手は中村選手が送球のために目を離した瞬間に、一気にスピードアップして二塁を蹴って三塁へ。時間にして1秒にも満たない一瞬の判断で三塁を陥れていた。
周東佑京:
「三塁手の動きを見ながら、行けるかなっていう判断で行ってみたっていう感じです。本当に状況を見ながらよくできたのかなと思います」
その後、柳田悠岐選手のサードゴロの間にホームに還ってきた周東選手。
一塁からサードゴロ2つでホームに生還した周東選手には、打点がついた“ギータ”も脱帽して感謝の気持ちを示していた。
やはり「#周東は一塁でも得点圏」。
分っていても止められないソフトバンクの“スピードスター”の走塁からは、来シーズンも目が離せない。
(「すぽると!」12月22日放送より)
『すぽると!』
1月4日(土)24時35分
1月5日(日)23時15分
フジテレビ系列で放送中
※1月5日(日)に「プロ野球100人分の1位“直球部門”」を放送予定
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