優しくほほ笑む遺影が掲げられた祭壇。
11月、82歳で亡くなった元横綱・北の富士さんをしのぶ会が18日に開かれました。
会場となった八角部屋の周りに、ぐるりと延びた長い長い行列。
北の富士さんに最後のお別れを告げようと訪れたファンの列です。
おしゃれでダンディーな人柄、そして軽妙な語り口の解説で多くの人に愛された北の富士さん。
しのぶ会に訪れた人の数は2000人に上りました。
あいさつに立ったのは、北の富士さんのまな弟子で、元横綱・北勝海の八角理事長です。
八角理事長は目頭を押さえ、涙をこらえながら「北の富士は私の師匠ですので、本日は“親方”と呼ばせていただきます。昭和53年、私がまだ14歳の時…。帯広空港から親方と一緒にプロペラ機に乗って上京したことを、今でも鮮明に覚えています。もう一度親方と飲みにいって、酒を酌み交わしながら昔話をしたかった」と、故人をしのびました。
第62代横綱・元大乃国の芝田山親方、第71代横綱・鶴竜の音羽山親方、元関脇・高見山関などのほか、元プロレスラーの天龍源一郎さん、歌手の松山千春さんなど、各界から多くの関係者が駆けつけました。
元高見山関:
若い時ね、よくかわいがってもらって。ホントよく相談できる男ですね。とにかく感謝だけです。
2025年1月の初場所で綱とりを目指す大関・琴櫻は、感謝の思いを「あの方にいい評価していただいたらうれしかったですし、こういう相撲を目指していけばいいんだっていうような、そういう気持ちにさせていただいた」と口にしました。
185cmの長身と甘いマスクで、多くのファンの心をつかんだ北の富士さん。
訪れたファンは「私ね、北の富士のお嫁さんになりたかったの。(Q.きょうはどういう気持ちで来た?)お嫁さんになれなかったから。ハンサムだからね。いい男だから好き。(78歳)」「5歳くらいから(相撲を)見てたんですけど、もう本当に僕が見てた時は、ずっと解説は北の富士さんだったので。(16歳)」などと話し、老若男女、多くの人が別れを惜しみました。
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