試合前、祈りをささげるFC東京のディエゴオリベイラ選手=味の素スタジアムで2024年12月8日、藤井達也撮影

 <12月8日J1 FC東京―セ大阪 祈りをささげるディエゴオリベイラ選手>

 強くサポーターから愛された選手だった。鳴りやまぬ「ディエゴコール」の中、両チームの選手が作った花道を歩き、現役最後となったピッチを後にした。

 前線で体を張り、厳しいディフェンスによって受けた傷は数え切れない。おしりをうまく使ったボールキープはFC東京の攻撃を組み立てる上で必要不可欠だった。J1リーグで記録した85ゴールはストライカーとしての能力の高さを証明する。

 サッカー選手としてだけでなく、人間として優れた姿も魅力の一つだ。ブラジル人選手の兄貴分としてチームに適応できるよう気を配り、若手選手がJ1デビューする際には「練習通り落ち着いてプレーしよう。試合に出る力があるから大丈夫」と声をかけた。チームの調子が上がらない時にはロッカールームで活を入れてチームに火を付ける役割を担うこともあった。

 公私にわたってディエゴ選手と長い時間を過ごしてきた通訳の飯野一徳さんは、試合後の引退セレモニーでサポーターと触れ合う姿を眺め「さみしくなるな」とつぶやいた。みんな、ニカッと笑うディエゴ選手の笑顔が大好きだった。オブリガード!【藤井達也】

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