○ガンバ大阪3―1サンフレッチェ広島●(8日・パナソニックスタジアム吹田)
遅すぎた反撃に光を見いだせなかった。広島は3点を追う後半追加タイムにFW加藤陸次樹が1点を返したが、ほどなく終了の笛が鳴った。逆転優勝には最低でも引き分けが必要だっただけに加藤は「本当にこの試合に懸ける思いは大きかった」と目に涙を浮かべた。
シーズン終盤の不振を象徴するかのような展開だった。前半13分に先制を許したが、前線からの激しいプレスで相手のパスミスを誘うなど再三の決定機を作り出した。ただ、最後の詰めが甘い。「ここ数試合と同じ。良いサッカーをしながらもシュートが入らない」とはスキッベ監督。前がかりになる中、後半35分を過ぎてさらに2失点し、勝負は決した。
広島はリーグトップの72得点を誇る攻撃力が武器だが、優勝を逃す最大の要因となった10~11月の3連敗では、この間1得点にとどまった。
連覇した神戸との差は選手層にある。「2チーム分」と呼べるほどの戦力を有した神戸と、ほぼメンバーを固定した広島。最後の最後で息切れを招いた。主力だったFW大橋祐紀、MF川村拓夢らが夏に欧州移籍した穴は補強で埋めたが、層の厚さまでは届かず、「個」の力でも劣った。スキッベ監督は「レギュラーの2、3人が欠けると全く別のチームになる。誰が出ても戦えるチームにしないといけない」と語った。
それでも、エースと攻守の要が去っても最終節まで優勝への希望を残した。2位でシーズンを終えたことで来季も過密日程が予想される。加藤は「試合数があればあるほど成長できるし、チームとしては総合力が問われる」と雪辱を誓う。リーグ優勝奪還へ課題は明確だ。【長宗拓弥】
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