今月開幕するラグビーの国内最高峰リーグ「リーグワン」に初参戦する「ルリーロ福岡」が22日正午、久留米市の久留米総合スポーツセンター陸上競技場でヤクルトレビンズ戸田(埼玉県)との初戦に臨む。2022年、うきは市を拠点に創設されたルリーロは、母体となる企業を持たず、地域に密着した独自のチームづくりを進め、24~25年シーズンの参入を実現した。次の目標に向かい、新たな挑戦が始まる。
ルリーロは22、23年に九州のリーグ「トップキュウシュウAリーグ」を連覇。創設時の目標であるリーグワンへの参入が決まった。福岡県内のラグビーチームで活動が休止・終了した「宗像サニックスブルース」や「コカ・コーラレッドスパークス」出身の選手らに加え、リーグワン経験者らの新規加入もあり、所属選手は約70人となった。
日中は社会人として働く選手の就職先は地域の企業など40以上で、木材製材所や製造業の工場、印刷会社で働く選手や、地域おこし協力隊、介護職の選手もいる。300以上のスポンサーに支えられ、うきは市や久留米市、朝倉市など県南の9自治体とは連携協定を結び、地域と共に歩んできた。
ルリーロが参入するのはリーグワン3部で、6チームが今月から来年5月までリーグ戦を戦う。ルリーロの15試合のうち、会場が発表されている3月までのホーム戦5試合は、全て久留米総合スポーツセンター陸上競技場で開催する予定だ。
参入を実現したルリーロの次の目標はリーグワン2部への昇格。三股久典キャプテンは「チームとして総力戦で勝って、レベルアップしたルリーロ福岡を皆さんにお見せしたい」と話し、「会場にぜひ足を運んで応援していただけたらと思う」と観戦を呼びかけている。【高芝菜穂子】
ルリーロ福岡の三股久典キャプテン
――いよいよリーグワンが開幕する。意気込みを教えてほしい。
◆本当に勝ちにこだわっている。チームとして初めてのリーグワンで、15試合、長いシーズンになるが、総力戦で目の前の一試合一試合を勝って、結果を出したい。
――目標は?
◆チームとしては2部昇格を目標に掲げている。
――どのような戦いをしたいか。
◆総力戦で、ワンチームで戦いたい。地域やスポンサーの皆さんが応援してくれている。勝って恩返しをしたい。早い寄り(ボールへの集散を素早くすること)や、相手より一人でも多く立っているといった姿勢の部分にこだわって戦いたい。リーグワン経験者もたくさん入って、スキルや知識を教えてもらっている。レベルアップしたルリーロ福岡を皆さんにお見せしたい。
――ファンや県民、九州の皆さんにメッセージを。
◆いつも応援ありがとうございます。会場に来てくださって「ルリーロ福岡のラグビーは楽しいな」と、またファンが増えてくれたらいいなと思う。会場にぜひ足を運んで応援していただけたらと思う。
ユニホームは地域おこし協力隊員がデザイン
ラグビーの「リーグワン」に参入し、22日に初戦を迎えるルリーロ福岡の2024~25年シーズンの公式戦用ユニホームが発表された。ユニホームには、ルリーロと連携協定を結ぶ県南9自治体の歴史や伝統、文化をモチーフにした文様がデザインされている。
デザインはうきは市地域おこし協力隊員で1級建築士の三角俊喜さん(34)が担当した。ルリーロのマスコットキャラクターになっているカワセミの巣作りを題材に、文様を地層のように両サイドに配置した。ルリーロが連携協定を結んでいる▽久留米▽うきは▽小郡▽朝倉▽大川▽筑後▽広川▽大木▽大刀洗――の各市町の歴史や伝統、文化を織り込んだ。モチーフには久留米絣(かすり)や筑後織などを選んだ。
ユニホームはホーム戦用の紺色と、アウェー戦用の白色がある。 三角さんは「1500年にわたる筑後地域の文化などを地層の重なりに見立ててデザインした。ルリーロ福岡というチームから新たな文化が築かれることを願っている」と語った。うきは市で誕生したルリーロが、地域の歴史と声援を背負い、新たなユニホームで全国を舞台に戦う。
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