記者会見する日本相撲協会の八角理事長(右)と十両・北の若(左)=ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで2024年12月4日、篠田航一撮影
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 日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)が4日、ロンドンの劇場ロイヤル・アルバート・ホールで記者会見し、2025年10月に開催されるロンドン公演に向けて、「日本古来の伝統文化である大相撲の魅力を存分に楽しんでいただきたい」と抱負を語った。公演は同ホールで行われ、日程は10月15~19日の5日間と発表された。

 協会主催の海外公演としては、05年の米ラスベガス以来20年ぶり。ロンドンでは1991年以来となる。協会とは別の興行主(勧進元)が主催する巡業は、13年にジャカルタでも実施された。

 91年のロンドン公演で優勝した八角理事長は「当時も会場は盛り上がった。最後に英語でスピーチすると言われ、緊張した」と振り返った。そのうえで、「今は外国から多くの人が本場所だけでなく稽古(けいこ)場にも来る。皆、相撲に興味があるのだと思う。拍子木の合図、行司の呼び上げ。こうした全部が伝統であり、それを(ロンドン公演でも)伝えたい」と述べた。

大相撲ロンドン公演の開催を発表した記者会見場で、すり足を披露する十両・北の若=ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで2024年12月4日、篠田航一撮影
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 会見場で「四股」や「すり足」を披露した十両・北の若(八角部屋)は「来年もし出場できたら、優勝を狙って頑張りたい」と語った。

 海外公演は外国の招待を受ける形で実施され、相撲の魅力を発信する「国際親善」の意味合いがある。

 会見では英メディアから、女性を土俵に上げない「女人禁制」について質問も出たが、八角理事長は「今この場でコメントする話ではない」とした。

 91年のロンドン公演時、決まり手は英語で「Force out(寄り切り)」「Push out(押し出し)」「Pull down(引き落とし)」「Outer arm throw(上手投げ)」などと呼ばれた。

 八角理事長は会見後の取材で、91年時は自由時間を利用して「ロンドン塔や(時計塔の)ビッグベンを観光した」ことが良い思い出だと振り返った。【ロンドン篠田航一】

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