(左から)坂本花織選手、「りくりゅう」こと三浦璃来選手、木原龍一選手組、鍵山優真選手

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6人・組で競うGPファイナルは5日、フランス・グルノーブルで開幕する。日本勢は世界女王の坂本花織選手(シスメックス)や2季ぶりのファイナル制覇を目指すペアの「りくりゅう」こと三浦璃来選手、木原龍一選手組(木下グループ)、男子で昨季世界選手権銀メダルの鍵山優真選手(オリエンタルバイオ・中京大)らが出場する。

 女子で前回大会覇者の坂本選手は、第4戦NHK杯でいずれも今季世界最高となるショートプログラム(SP)78・93点、フリー152・95点、合計231・88点をマーク。総合力で他を一歩リードしている。GPファイナル連覇となれば日本女子では浅田真央さん(12年大会、13年大会)以来となる。

 追うのは第3戦フランス大会、第6戦中国杯を制したアンバー・グレン選手(米国)。今季はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の成功率が高まっており、高得点も期待できる。また、千葉百音選手(木下アカデミー)は第4戦と第6戦で2位ながら2大会ではいずれも合計210点台と安定感ある滑りが光る。

 7年ぶりのファイナル出場となる樋口新葉選手(ノエビア)は第1戦スケートアメリカでGP初優勝し、第3戦では休養から復帰後、初の200点超えを果たすなど調子を上げてきた。また、昨季ファイナル3位の吉田陽菜選手(木下アカデミー)は3回転半ジャンプの出来が表彰台への行方を左右しそう。初のファイナルとなる松生理乃選手(中京大)は、SPからミス無く滑り切り表彰台争いに絡みたい。

 ペアの三浦選手、木原選手組は第4戦でフリーのミスが響いて2位となり、シリーズは2位通過。それでも2戦の合計得点は出場ペアの中で一番高く、優勝候補に変わりない。課題としているスロージャンプや、ツイストリフトをどこまで修正できているかが鍵を握る。

 シリーズ首位のディアナ・ステラートデュデク選手、マキシム・デシャン選手組(カナダ)は欠場が発表されたが、今季世界最高得点を持つミネルバファビエンヌ・ハゼ選手、ニキータ・ボロディン選手組(ドイツ)、第4戦で逆転優勝を飾ったアナスタシア・メテルキナ選手、ルカ・ベルラワ選手組(ジョージア)らとの戦いを制し、2季ぶりの王座奪還を目指す。

 男子は世界王者のイリア・マリニン選手(米国)が優勝争いの筆頭候補。昨季の世界選手権ではフリーで世界初の4回転ジャンプ6本を跳んだが、今季はここまで最大で4回転4本にしており、余裕がうかがえる。ファイナルではクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の投入を含めてジャンプ構成に注目が集まる。

 第4戦、第5戦フィンランド大会を連勝した日本の鍵山選手は、フリップをはじめ3種4本の4回転ジャンプを駆使してマリニン選手と競り合う展開に持ち込みたい。2季ぶりファイナルの佐藤駿選手(エームサービス・明大)は今季、課題だったSPが好調。表彰台に上がる力は十分にある。ダニエル・グラッスル(イタリア)、ケビン・エイモズ(フランス)、ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)の3選手との激しい争いになりそうだ。【グルノーブル倉沢仁志】

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