いずれも僅差(きんさ)で2強が決まった。春季広島県高校野球大会兼中国地区大会県予選会(県高野連主催、朝日新聞広島総局など後援)は5日、同県尾道市のぶんちゃんしまなみ球場で準決勝2試合があり、広陵は尾道を4―2で、海田は崇徳を3―2で下した。広陵は3年連続となる春の県大会決勝進出、海田は初の決勝進出を決めた。決勝と3位決定戦は11日、同球場である。4強は来月、県内である中国地区大会に出場する。

 ▽準決勝

広陵4―2尾道

海田3―2崇徳(根本快)

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 広陵に3点をリードされた五回、尾道の菅将遙(ゆきはる)投手(3年)は今大会初のマウンドに立った。三塁打を打たれて1死三塁のピンチを背負うも、三振と左飛で切り抜け、声を上げて喜んだ。

 昨秋の準決勝でも広陵と対戦。先発を任されたが、「ボールが先行してリズムが悪いまま投げてしまった」と5失点。昨冬は足首のけがに悩まされ、その後、サイドスローに転向。この日は、背番号20を着けた上半身を大きく動かす新しいフォームで、左腕からテンポ良く投げこんだ。

 仲間の援護で1点差まで追い上げて迎えた八回、先頭打者に二塁打を浴びると、暴投と三ゴロで帰塁を許した。終わってみれば、4回被安打2の1失点。北須賀俊彰監督は「上出来」と評価したが、菅投手は「流れを引き寄せないといけないところで踏ん張れなかった」と悔やんだ。新たな課題を見つけて次戦に臨む。

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 試合の均衡を破ったのは、海田の1番打者、田中大夢(だいむ)選手(3年)の一振りだった。

 海田打線は、崇徳の先発、脇本晃寿投手(2年)を相手に苦戦。5回までノーヒットに抑え込まれた。しかし六回、先頭打者の福間太一選手(同)が中前にチーム初安打を放つと、2死三塁の場面で打席が回ってきた。

 直球に狙いを絞った。その初球、体勢を少し崩されながらも、直球をうまく拾って中前に運ぶと、走者が生還。先制点にベンチは大盛り上がり。得点した時のテーマ曲、ブルーハーツの「情熱の薔薇(ばら)」の歌声が応援席からわき上がった。

 海田はその後、2点を追加。八回に1点差まで追い上げられたが逃げ切り、初の春の県大会決勝進出を決めた。「接戦になるから、先に1点取ることが大事、とチームで話していた。貢献できて良かったです」と田中選手。「投手陣が勝利に貢献してくれている。あとは打つだけ」とやる気十分だ。

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