平川翔也アナウンサー:
「TSKさんいん中央テレビと山陰中央新報のコラボ企画「カケルサンイン」。共通のテーマをテレビと新聞それぞれの視点で掘り下げます。
担当の田中祐一朗記者とお伝えします」

田中祐一朗記者:
今回のテーマは「女子野球」で地域活性化、島根県川本町の取り組みです。28日の山陰中央新報の紙面でもお伝えしています。2回目のきょうは、川本町の先を行く形で女子野球を地域活性化につなげている広島県三次市の取り組みから、その可能性を考えます。

島根県と境を接する広島県三次市。
この日は、中四国地区の女子野球リーグ「ルビー・リーグ」のエキシビションマッチ。所属チームから選抜された選手たちがはつらつとプレーしていました。
川本町に誕生した島根フィルティーズも、来シーズンからこの「ルビー・リーグ」に参戦します。

三次市は、4年前に「女子野球タウン」に認定され、全日本女子野球連盟と連携して女子野球を通じた地域活性化に取り組んでいます。
若い世代、特に女性の市外への流出は川本町と同様、三次市にとっても大きな課題となっています。

三次市共生社会推進課・田村正課長:
「スポーツの面でも女性の活躍を支援していこうというのがスタート。先ずは女子野球に取り組んでみましょうということでスタートした」

地域活性化につなげる切り札として注目したのが「女子野球」でした。
市内には、プロ野球の公式戦も開催される三次きんさいスタジアム。
三次市は、ここを女子野球の聖地にしようと「ルビー・リーグ」をはじめ、女子の大会や日本代表の合宿、さらに世界最高峰の大会、ワールドカップの予選を誘致。
「女子野球」のまちとして認知度が高まり、選手、大会関係者やファンが訪れることによる経済効果も大きいといいます。

三次市共生社会推進課・田村正課長:
「宿泊だったり、それからお店の方もいつ試合があるんですかみたいなことを聞くようになった。徐々に女子野球と言えば三次というかたちになっていけば」

川本町も2024年、この「女子野球タウン」に認定。
大会や教室の開催などを通じて女子野球の普及に取り組み、地域活性化を目指します。
島根中央高校の女子硬式野球部とともに、その中心的を担うのが「島根フィルティーズ」です。

女子の硬式野球、競技人口は右肩上がりで、2023年度は約3000人と最近10年間で倍増しています。
チームの数も119を数え、競技人口の減少に悩む種目も多い中、女子の野球は盛り上がりを見せています。
2022年にスタートした「ルビー・リーグ」には中四国各県から19の高校、大学、社会人クラブが参加。「島根フィルティーズ」は2025年度、最も下位の3部からスタートします。

中四国のライバルとの戦いがいよいよ始まりますが、島根フィルティーズにとって試合に勝つことより大切なものがあると、森山監督、そしてクラブの大久保代表は強調します。

島根フィルティーズ・森山一人監督:
「地元のみなさんに認めてもらえる活動から始めて、それがあって、やっとフィルティーズっていうことになると思う」

島根フィルティーズ・大久保一則代表:
「(町民から)受け入れの方は大丈夫なんかだとか、仕事とかちゃんとできるんかとか、いろんなご意見アドバイス等をもらう機会というのは多い。地域の方々に知ってもらって、応援してもらえるような土台作りをしていくことが、まずは大事なのかなと」

大久保代表は、町外から集まる選手たちの受け入れ窓口になる団体「かわもと暮らし」に勤務。物心両面で選手たちを支えます。

選手たちは「地域おこし協力隊員」として「かわもと暮らし」に勤務。
半日は仕事、半日は野球に打ち込みます。
携わる仕事はイベントの企画・運営や町のPRなど、地域活性化にも密接に関わるなかで町民に顔を覚えてもらい、「わが町のチーム」として、町民一体の応援を受けるチームを目指します。

島根フィルティーズ・大久保一則代表:
「女子野球のことを知ってるけど、見たことないっていう人ってやっぱまだまだ多いんですよね。もっと選手のことを知ってもらえたら、もっと応援をしたいと思っていただけるのかな」

田中祐一朗記者:
人口約3000人の川本町。小さな町の大きな挑戦がいよいよ始まります。

平川翔也アナウンサー:
バスケの島根スサノオマジック、サッカーのガイナーレ鳥取といったプロチームはもちろんですが、奥出雲町や八頭町のホッケー、地域に根付いたスポーツがありますよね。スポーツには地域をまとめる地域の人の気持ちをひとつにする、そんな力もありますよね」

田中祐一朗記者:
川本町の「女子野球」が定着し、地域の未来を開くことができるのか、4月からの戦いぶりに注目したいと思います。

平川翔也アナウンサー:
今回取材した内容は、TSKニュースイット!のYouTubeチャンネルでもご覧いただけます。

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