プロ野球のMVPは、記者などが1位から3位までを投票してその合計で決まります。
セ・リーグは巨人の菅野投手が4年ぶり3回目の受賞となりました。
35歳の菅野投手は今シーズン、開幕から先発ローテーションの一角として活躍し、24試合に先発して15勝3敗、防御率1.67、勝率8割3分3厘の成績で最多勝と最高勝率の二冠に輝き、チームの4年ぶりのリーグ優勝の原動力となりました。
巨人からMVPが選ばれるのは菅野投手自身が受賞して以来、4年ぶりです。
菅野投手は海外を含めたFA=フリーエージェントの権利を行使し、このオフの大リーグ移籍を目指しています。
一方のパ・リーグはソフトバンクの近藤選手が初めて選ばれました。
31歳の近藤選手は移籍2年目の今シーズン、開幕から中軸を任されて終盤には右足首のけがで戦列を離れたものの、129試合に出場し、打率3割1分4厘、出塁率4割3分9厘、ホームラン19本、72打点をマークしました。
パ・リーグで唯一、打率3割を超えた近藤選手は首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得して、チームの4年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。
ソフトバンクからMVPが選ばれるのは2020年の柳田悠岐選手以来、4年ぶりです。
菅野智之「今までとは全然違うMVP」
巨人の菅野智之投手は4年ぶり3回目となった受賞について「今までとは全然違う。1回目は『なんとなく消去法で選ばれたのかな』という感じで、2回目は新型コロナによる短縮シーズンだった。ことしに関しては阿部さんが監督になって日本一の監督にしようとスタートした中で、しっかり1年目で優勝することができた。一緒にプレーしてきた方が監督になって、新しい環境で優勝できたという意味では特別なものになった」と喜びを語りました。
そして「去年の今頃は菅野がMVPをとるとは誰も思っていなかったと思う。自分自身まだまだやれると信じてオフからトレーニングを積んで見つめ直してきて、感謝ということばでは言い表せないほどいろいろな方に支えられているというのを改めて感じた」と周囲の支えに感謝していました。
また、DeNAとのクライマックスシリーズファイナルステージで6年ぶりにリリーフで登板し、決勝のタイムリーヒットを許して日本シリーズ進出を逃したことについて聞かれると「打たれたのは外角のカットボールだったが、投げたボールに悔いはない。あと10回同じ場面が来ても同じボールを選択する。チームを勝たせてあげられなかった申し訳なさもあるが、あの場面を投げさせてもらえて後ろを投げるピッチャーの大変さやプレッシャーを身をもって感じることができ、本当に自分自身の財産になった」と話しました。
そして海外を含めたFA=フリーエージェントの権利を行使して大リーグ移籍を目指す来シーズンに向けては「舞台は変わると思うが、またここから新たなチャレンジができることに感謝をして、野球選手としても人としても成長していけるように頑張っていきたい」と意気込みました。
近藤健介「もっともっと精進して技術を磨きたい」
ソフトバンクの近藤健介選手は「プロに入ってまさかこういう賞をいただけるとは思っていなかったので光栄に思うし、もっともっと精進して自分の技術を磨きたいと思う」と喜びを語りました。
そのうえで今シーズンを振り返り「チームとして、みんなの力でリーグ優勝をすることができたが、最後に日本一を達成したうえでのMVPだったら最高だったと思うので、そこは来シーズン頑張りたい」と日本シリーズでDeNAに敗れ日本一を逃した悔しさをにじませていました。
また、印象に残っている試合については右足首のけがからおよそ1か月ぶりに復帰して出場した先月のクライマックスシリーズの初戦をあげ、「けがをして終盤は試合に出られなかったが、クライマックスシリーズの初戦に出たときのファンの方の声援はすごくうれしく思いながら打席に立った」と振り返りました。
来シーズンに向けては「個人的にはシーズンもけがをして終わったし、日本一になれずに終わってしまった。こういう賞を頂いてうれしい1年にはなっているが、個人的には悔しい部分も多いので来年以降はそれを晴らせるシーズンにしたい」と意気込んでいました。
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