(5日、春季近畿地区高校野球大会大阪府予選5回戦 大阪桐蔭7―0泉陽 七回コールド)

 力比べの春だ。

 甲子園大会で春夏通算9度の優勝を誇る大阪桐蔭は、今年3月の選抜大会準々決勝で報徳学園(兵庫)に1―4で敗れた。勝負の夏に向け、チーム内ではすでに競争が始まっている。

 四回2死一塁。1番畠中健太(2年)はライトに適時二塁打を放ち、点差を6点に広げた。畠中の背番号は「8」。選抜では「13」で、代打出場がメインだった。

 西谷浩一監督は「このチームはもちろん、次の(代の)チームの軸。下級生ですけど、しっかりやってくれています」と期待を込める。

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 この日のスタメンのうち、報徳学園戦と同じメンバーは半分以下の4人だった。

 二塁手だった山路朝大(あさひ)(3年)はひじを痛めており、一塁走塁コーチをしていた。中堅手の吉田翔輝(3年)は選抜の試合中に脱臼した右肩の治療に専念しており、4番のラマル・ギービン・ラタナヤケ(3年)は「体調不良」(西谷監督)でメンバーに入っていない。

 選手たちのけがなども影響しているが、「夏に向けてメンバーを少し変えて、もう1回競争しているところです」と西谷監督。4番で1安打を放った吉野颯真(2年)、リリーフで無失点に抑えた安福拓海(3年)、西田陽(はる)(2年)は、いずれも選抜はスタンドで応援していた。

 西谷監督は「毎年そうですけど、チャンスは何人かに渡したいと思っている」。選抜でランニング本塁打を記録し、この日は特大の右越え2ランを放った3番境亮陽(りょうや)(3年)は言う。

 「いろんな選手が試合に出る中で周りの選手のレベルが上がってきたら、チーム全体の力も上がってくる。夏に向けて、底上げをしていけたら」

 歴代2位タイとなる6度目の全国制覇へ、切磋琢磨(せっさたくま)は続く。(室田賢)

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