順調な調整ぶりを見せているドウデュース(奥)=2024年11月13日、井内利彰さん撮影

 今週末は東京競馬場で、GⅠジャパンカップが行われる。外国馬も出走できる国際レースだが、近年は参戦自体が少なくなっている。今年は3頭が出走予定で、海外での実績は申し分ない馬ばかりだ。

 ディープインパクト産駒のオーギュストロダンが人気を集める。ゴリアットは馬主のジョン・スチュワート氏が自身のX(ツイッター)で「私たちは競技に参加するためにわざわざ日本へ行くわけではありません。勝つために、そして、芝のレースでゴリアットが世界最強であることを示すために日本へ行くのです」といった強気の発言を繰り返している。このあおり方に不快感を覚える人もいるだろうが、私見では「じゃあ、見せてもらおうか」という感じである。

 凱旋門賞で日本馬がなかなか勝てない理由のひとつが「馬場」だが、東京競馬場の馬場は海外の馬にとって決して有利ではない。簡単に表現すれば、日本のスピード競馬にはついていけないだろうと予想している。

 ドウデュースは天皇賞・秋で素晴らしいスピードを発揮しての勝利だった。前回に続き、東京競馬場のため、前走のようなレースをすれば、同じようなパフォーマンスが期待できるだろう。ただ、前回のレースの疲れはないかと不安になるファンもいるはず。管理する友道康夫調教師をはじめ、馬の世話をする前川和也調教助手、そして1週前追い切りに騎乗した武豊騎手といったこの馬に関わる全ての人が、ドウデュースのすごさに「元気があり余っている」と舌を巻いている。私も調教の様子を見て、それを実感しているし、何より落ち着き払った様子で調教をこなしているところが安心感を与えてくれる。ここは勝たなくてはいけないだろう。

 これに迫るのはもちろん日本馬だ。3歳牝馬チェルヴィニアは全く底を見せていないし、海外遠征を経験してたくましくなった3歳牡馬シンエンペラーも絶好調。古馬なら坂路の調教でうなるような走りを見せたジャスティンパレスに期待したい。(競馬ライター)

いうち・としあき

 1976年生まれ。東大阪市出身。高校の同級生の影響で競馬に興味を持った。92年の菊花賞(GⅠ)を自身と同じように小柄なライスシャワーが制し、その魅力に取りつかれた。大阪経大卒業後、競馬予想サイトの運営会社勤務を経て、フリーライターに。

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