早稲田実との決勝で力投する二松学舎大付の先発・河内紬=神宮球場で2024年11月7日、新宮巳美撮影

 来春の第97回選抜高校野球大会の出場校を選考する際の資料となる全国10地区の秋季大会が終了した。20日に神宮球場で開幕した明治神宮大会に出場する優勝校の各地区大会を振り返る。

東京 二松学舎大付は投手力が安定

 投手力で安定感を誇る二松学舎大付が21年ぶりの頂点に立った。

 河内紬(つなで)は、多彩な変化球で的を絞らせず、及川翔伍は130キロ台後半の直球を軸に思い切りが良い。背番号9の左腕・甲斐虎茉輝(とまき)も緩急を生かし落ち着いた投球が光った。打線は決勝で14本中10本の内野安打を放つなどしぶとかった。

 準優勝の早稲田実も、今夏の甲子園を経験した選手を中心に総合力は高い。エースで主将の左腕・中村心大(こうだい)は、140キロ超の直球とカットボールを使って三振を奪う。4番・山中晴翔は、準々決勝で決勝2ランを放つなど長打力がある捕手だ。

 初めて4強入りした淑徳はエース右腕・八重尾蓮を中心に粘り強い。帝京は最速140キロ超の岩本勝磨、外野手もこなす村松秀心の両右腕を中心に勝ち上がった。【角田直哉】

1年生ながら4番を任された広島商の名越貴徳=島根県立浜山公園野球場で2024年11月4日午前11時17分、井村陸撮影

中国 広島商は1年生の4番が5打点

 打線の勝負強さを見せた広島商が、31年ぶりに中国大会を制した。1年生ながら4番に入った名越貴徳が決勝で先制2ランを放つなど、チーム最多に並ぶ5打点の活躍。投手陣も右腕・大宗和響、左腕・徳永啓人の2本柱を中心に安定感があった。

 準優勝の米子松蔭(鳥取)は、初めて決勝に進んだ。身長157センチの1年生右腕・新里希夢(のあ)が3完投と大車輪の働きを見せ、準決勝は9回を完封。キレのある直球とスライダーなど多彩な変化球を生かし、要所を締めた。

 4強の岡山学芸館は、4番・繁光広翔(こう)や捕手の佐藤滉起ら、今夏の甲子園で16強入りした選手が中心となってチームを引っ張った。矢上(島根)は2番・高橋遼太が2試合連続本塁打を放つ活躍などで、初めて4強入りを果たした。【深野麟之介】

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