大相撲の元横綱で解説者としても活躍し、12日に死去した北の富士勝昭さんの弟子だった日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は21日、九州場所会場の福岡国際センターで取材に応じ、「褒めて良い方向に導いてくれる、楽しい師匠だった」と悼んだ。
八角理事長は北の富士さんと同郷の北海道出身で、中学卒業後に北の富士さんが師匠の九重部屋から初土俵を踏んだ。兄弟子の横綱・千代の富士(2016年死去)の猛稽古(げいこ)にも鍛えられ、1987年夏場所後に横綱に昇進した。
北の富士さんの指導法について、八角理事長は「私は他人から言われると(稽古を)やらないタイプだったので、『言わない』努力をしてくれていたんだと思う」。ただ、十両昇進や新入幕の時には「その気になるんじゃないよ」とくぎを刺す厳しさがあった。
八角部屋を創設した後は弟子が思うように育たず、指導法に悩む時期もあった。北の富士さんからは「褒めること」とアドバイスされたという。八角理事長は「今でも自分は怒ってしまうので」と反省しつつ「北の富士さんだから2人の横綱を出せた。褒めるのは難しい」。改めて名伯楽の偉大さをかみ締めていた。【林大樹】
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