【明徳義塾-横浜】明徳義塾に完封勝利し笑顔を見せる横浜の先発・織田翔希=神宮球場で2024年11月21日、渡部直樹撮影
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 明治神宮野球大会の高校の部は21日、神宮球場で準々決勝があり、横浜高(関東・神奈川)が明徳義塾(四国・高知)を2―0で降し、初戦突破した。横浜高は、23日の準決勝で二松学舎大付(東京)―東洋大姫路(近畿・兵庫)の勝者と対戦する。

 圧巻の完封を成し遂げ、最高の全国デビューを飾った。横浜高で最速151キロを誇る1年生右腕・織田翔希が、明徳義塾打線をわずか2安打に封じた。雨が降る中でも気にするそぶりは見せず、堂々たる投球を披露した。

 冷え込む中でのマウンドだったが、140キロ前後の直球はミットに突き刺さるような威力があった。変化球の精度も高く、緩急を生かして相手に的を絞らせない。「試合の入りを徹底している。初回の先頭からしっかり抑えることを意識していた」。一回を3者凡退で抑えると、リズムに乗った。相手に許した安打は7番・松井萊翔(らいと)の2本のみ。126球で投げ切った。

 織田は秋季関東大会では背番号10を背負いながら初戦のマウンドを任され、東農大二(群馬)を相手に2安打完封。17年ぶりとなる優勝の原動力となった。明治神宮大会に向けても、朝4時半に起きてボールを投げ込んだ。気温が低い中でも手を冷やさずに感覚を保って投げられるようにするためだ。準備にも余念がなかった。

 憧れの投手には「平成の怪物」と称され横浜高で甲子園を沸かせた松坂大輔さんを挙げる。「松坂さんのようになりたくて」と地元の福岡を離れて名門の扉をたたいた。

 甲子園で松坂さんと対戦経験のある明徳義塾・馬淵史郎監督は織田について「足腰が強くなったら球に角度があるし、伸びる可能性がある」と評す。

 織田は「こういう舞台で投げ切って勝てたことは成長につながる」と振り返った。まだ1年生だけに、偉大な先輩に近づける素質を十分に感じさせる投球だった。【磯貝映奈】

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